第9話 魔人への恐怖



 パニックが起きた後、人々はその場から逃げ出す。


「頭のおかしい魔人がやってきて人を殺しちまった!」


「逃げろ! 殺されちまうぞ」


 魔人は普通の人間とは違って魔法を使うことができる。


 その威力は強く、大人と同じ背丈の害獣を一度の攻撃で仕留めるほど。


 だから、人々の意識には魔人に対する恐怖が染みついていた。


 それは、その世界の人々の間では常識で。


 幼い子供でも知っていること。


「きゃっ!」


 逃げ出す人々の中、転倒した女の子がいた。


 その女の子の元に、魔人が近づいてくる。


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