No.68 鈴虫

りーん、りーん。

「おや鈴虫だ」


お出かけの帰り、夜は少し涼しく過ごしやすい。遊び疲れたはずの娘は綺麗な鳴き声に誘われ公園の草むらに走り寄った。


「あ、鳴きやんじゃった」

「近づくと逃げちゃうんだよ」


残念そうな娘を連れて静かな公園を出ると、またりーんと涼風が鈴の音を運んできた。

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