泡の世界の謎解き
森本 晃次
第1話 性風俗特殊営業
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和四年一月時点のものです。今回の小説で、お店が出てきますが、たぶん、シークレットな部分があるはずですが、小説の展開上、どうしても、作者が都合よく考えたシステムになっていますので、実際のお店とはまったく関係ありません。
風俗営業法では、店舗型の生風俗店の営業時間というものは決まっていて、午前6時から、午後23時59分までということになっている。だかあ、入店に関しては、ラスト枠の終了時間から逆算し、お客様の要望時間が、終了時間を超えないように設定するのが、基本になっている。
つまり、お客さんが、60分コースをご所望であれば、23時までの入店になる。80分コースを所望であれば、22時40分以降の入店はできないか、あるいは、コースの時間を短く設定してもらうかの、どちらかになるだろう。
厳密にいえば、受付を済ませ、女の子がお客を迎える準備をするための時間も必要である。だから、それを加味した時間を設定しなければならず、そうなると、入店時間はもっとさかのぼることになってしまう。だから、基本的に、ソープランドのようなお店では、23時20分以降の入店はありえないということになるだろう。
もっとも、これらの営業時間は、基本、自治体によって違う。つまり、都道府県で違う場合もあるということだ。しかし、風俗営業法においては、深夜時間帯というものを規定していて、それが、午前0時から6時までをいうのだが、深夜時間帯は、基本的に、店舗型の風俗営業を禁止しているところがほとんどだということである。
生風俗営業でも、ラブホテルであったり、デリヘルのような、出張型であれば、その限りにはなく、いわゆる、
「店舗型」
といわれる、
「デリヘル」
などに対して、
「箱ヘル」
などと呼ばれるものが、店舗型といわれるのだ。
デリヘルというと、客が店舗受付に電話を入れ、ホテルや、自宅を指定して、女の子に出張してもらうというものなので、ラブホテルなどは、デリヘルに利用されることも結構ある。だから、ラブホテルを男性一人で利用する場合は店の人から怪しまれることはない。
これは、昔からであったが、基本、男性一人の利用はいいのだが、女性一人というのは、店が気にして、受付を済ませての入室の場合は、断られることもあったようだ。今のように、無人のロビーのタッチパネルで部屋を予約し、誰に遭うこともなく、部屋に入るシステムになっているところは、断るに断れなかったりする。その場合、監視カメラなどで怪しいと思えば、いつでも警察を呼べるようにしているかも知れない。
女性一人が敬遠されるというのは、
「自殺を疑われるからだ」
といわれている。
実際に、昔のラブホテルでは、女性の自殺が流行ったことがあったので、特にモーテルのようなところは、今でも気にしているところもあるのではないか。今と昔で、ラブホテルを利用する客層や、その目的も結構様変わりしているので、いつもいつも自殺を疑うのは考えすぎなのかも知れないが、昔から、ラブホテルというと、健全なカップルだけではなく、不倫や淫行、さらには売春に使われているのも事実だろうし、薬物使用であったり、美人局のような、本当にリアルな犯罪というのも、昔と変わっていないだろうから、どんなに部屋が7様変わりしたりしていても、気を付けないといけないことに変わりはないだろう。
ただ、風俗営業法は、結構ちょくちょく変わったりしているので、経営者もそれについていくのも大変ではないだろうか。従業員の女の子も、どこまで周知しているかということも、問題であろうから、店側のスタッフは、自分もさることながら、女の子にも周知させなければいけないのだった。
そして、全国の大都市には、ある程度の場所には、歓楽街と呼ばれるところがあり、sこには、酒類提供の飲食店をはじめとして、キャバクラ、スナックなどのような接待型の各店舗が存在している。
マンションに似た建物の雑居ビルに、一階部分にそれぞれの店の宣伝ように、壁に組み込み型になった看板が設置されていて、何階にどのようなお店があるのかが、そこで分かったりするのだ。そういう店は、スナックやバーなどがほとんどであろうが、中には秘密クラブのような店もあったりして、そういうところは、たいていが高級なお店で、会員制だったりするのではないだろうか。
警察も、そういう店は警戒している。時に、風俗営業法が取り締まっているものに、
「売春と、賭博」
というものだという。
秘密クラブのように、会員制であったりする高級店は、会員には、会社の社長や会長、さらには政財界のお偉方などが会員として所属していたりする。
作者もそれ以上の詳しいことはよく知らないが、テレビのサスペンスドラマなどで出てくるような、秘密クラブを想像してしまう。いくら会員制であっても、会員同士も秘密保持のため、目のところに仮面をしていて、顔が分からなくしている場合も少なくはない。
もっとも、今の時代は、
「このご時世」
ということで、皆マスク着用が基本的なマナーになっていることで、アイマスクの必要はないかも知れないが……。
さて、そこまでして、自分の身分を隠しながら、どのように楽しむのかというと、やはり考えられるのは、
「売春行為」
であったり、
「賭博場」
というイメージではないだろうか。
賭博場であれば、どこか地下室のようなところがあって、そこで営まれていたりするだろう。
売春にしても、賭博にしても、犯罪としては、それだけでは済まない可能性もある。一番考えられる犯罪としては、
「麻薬取締法違反」
ではないだろうか?
そのために、お金持ちでなければ、務まらないということでの会員制なのであろう。売春にしても、賭博にしてもかなりの金銭の授受があるのだろうが、麻薬ともなると、中途半端ではない。何しろ、
「暴力団の資金源」
になるくらいだからである。
昔に比べて、暴力団も様変わりしたかも知れないが、基本的な資金源に変わりはないだろう。
それを思うと。高級クラブの会員制という店は、庶民の関わるところではないということだ。
ただ、賭博にしても、売春にしても、必ずしも、すべてが禁止というわけでもないだろう。
賭博というと問題がありそうに思うがギャンブルというと少しニュアンスが変わってくる。
競馬、競輪、競艇などのような公営ギャンブルというのも存在する。
ちなみに、パチンコはギャンブルではない。確かに、最終的にはお金に代わるものであるが、パチンコ店の中でまず景品に交換し、それを今度は、表のどこかにある、
「景品交換所」
というところで、現金に換えてくれることになる。
この場合の、交換所というところは、パチンコ店とは表向きには何の関係のないところが営業していることになっている。だから、昔は、景品に交換してもらった場所で、景品交換所の場所を聞いても、教えてはくれなかった。パチンコ店とは関係がないということだからであろう。
それを、三店方式という。このやり方は、元々大阪府警が、パチンコ店を取り締まりたいが、時代背景的にできなかったということで、パチンコ店を容認するやり方として考案したとされている。だから、パチンコは、ギャンブルではなく、遊戯になるのだ。
だから、扱いとしては、賭博場というよりも、ゲームセンターに近い形の、
「遊技場」
ということになるのだった。
最近は、パチンコ屋も大変である。
特に、ここ二、三年というのは、世界的な伝染病の流行、あるいは、受動喫煙防止法によって、客足が完全に遠のいてしまっている。しかも、伝染病が流行し、緊急事態宣言なる、意味の分からない政策を政府がとったために、社会活動がマヒしてしまった。
しかも、最初の緊急事態宣言においては、パチンコ屋が営業していることが社会的な問題になり、完全にマスゴミの射程となってしまった。
実際には、パチンコ店というところは、業界全体から考えれば、高確率で、自治体の要請を守ってきていた。他の業界の方が、率からすれば、たくさん営業していたのに、攻撃されたのは、パチンコ店だったのだ。
しかも、他の業界では、感染者が出て、クラスターなる、一斉感染が起こっていたのに、パチンコ店では皆無だったのだ。
もちろん、それには理由がある。
「ちょうど緊急事態宣言が起こったその時、法律で、受動喫煙防止法なるものが施行されたことで、パチンコ店には、換気をよくするための設備投資が余儀なくされ、図らずも、パチンコ店の空気は他の店に比べてよくなったのだ」
という事実もある。
確かにそれまでは、パチンコ店というと、遊技台の前に灰皿があり、喫煙者が我が物顔で蔓延っていたのだが、それがなくなった分、一番換気のいいところに変貌した。これはゲームセンターなどにも言えることだが、換気施設という意味ではパチンコ店の方がすごいことだろう。
やはり、昔からのギャンブル性の高いというイメージが強いのだろう。
前述のように、本来であれば、パチンコは遊戯であって、ギャンブルではない。それを許してきた社会に対しての、市民の怒りが、この時とばかりに爆発したといえよう。
だからといって、彼らの生活を脅かすようなことをしてもいいのだろうか。もちろん、煽った連中が一番悪いのであり。世間の何も知らない連中、さらに、売り上げを上げるためなら何でもありというマスゴミ。そして、さらに、そんな世間に乗せられてしまった行政など、どれほどたくさんの罪深い連中がいたことだろう。
冷静になれば、ひどいことをしたと後になってから思う人もいるだろうが、それは個人レベルであって、マスゴミや、政府などの行政は、まったく反省などしていないに違いない。
その証拠に、マスゴミも、政府も、何年経っても、
「感染が拡大すれば、判で押したように、緊急事態宣言を掛けるだけ」
ということである。
何なら新しい対策を考えるでもなく、感染が落ち着いても、流行と、その減少を検証などしていないに違いない。
「経済を回す」
といっておいて、かたや、緊急事態宣言の大安売りでは、誰も政府のいうことなんか聞いたりしないだろう。
いくら時短営業を呼び掛けても、納得がいく支援金がある人は店を閉める。そうでない人は店を開ける。ただそれだけである。
しかも、その支援金も、収入によるものではなく、完全に差別待遇となっていることから、
「店を閉めれば閉めるほど、儲かる」
などというところも出てくるのだ。
病院だってそうだ。
「伝染病患者を受け入れたところには補助金が出る」
ということで、受け入れたことにして補助金だけを騙し取っている病院がどれほど多いことか、これも社会問題になっていた。
これが、国や自治体のやることで、そんなことをしているから、
「飲食店だけにばら撒きだ」
といわれ、
「差別だ」
といわれるのだ。
とにかく政府と自治体は、お互いに責任の擦り付け合いをするだけで、まったく苦しんでいる市民と向き合おうとはしない。医師会だったり、経済界に忖度するだけで、自分たちの保身しか考えていない政治家ばかりだから、日本という国は舐められるのだ。
「私の責任で、対策を講じます」
といって、本当にその責任をとれる政治家が果たしてこの日本にいるのかどうか。疑問でしかない。
数年後にどうなっているか、歴史が答えを出してくれるであろう。
そんなパチンコ店が、緊急事態宣言中にやり玉に挙がったのは、マスゴミによる陽動と、
「三店方式」
という形が、警察の手によって作られたものなので、警察も迂闊に手を出せないというところの世間の不満が爆発したのではないかともいわれていた。
しかし、それ以上に、あの時に露呈したリアルな問題があった。
というのは、パチンコ店を攻撃したことで、
「空いているパチンコ店がある」
ということが、ネットで騒がれるようになり、皆が開いている店に集中してしまうという弊害であった。
余計に煽ってしまったことになってしまい、マスゴミもパチンコ店の問題を取り上げる。
当然インタビューのため、記者が赴くと、いくら店の名前を伏せたとしても、まわりの風景などから、分かる人には分かるのだ。
しかも、他県から遠征してくる人もいるくらいで、下手をすれば、大阪まで山口からやってくる人もいたくらいだった。
開店前には、店の前に長蛇の列。新台入れ替えの日でも、ここまでたくさんは並ばないというほどであろう。
近所の人がインタビューを受けて、迷惑がっているところを映したとしても、だから、どうにかなるというわけでもない。ただ、話題になっただけで、パチンコが好きな人、ストレスをどのようにして発散させていいのか分からず、とりあえず、やってくる人、さまざまであろう。
テレビのワイドショーなどでは、
「マスコミが煽るから客がいく」
というコメンテイターもいたが、
「じゃあ、お前たちは何なんだ?」
といいたいくらいで、それを、
「目糞鼻糞笑う」
というのであろう。
そんな状況を見ていると、国が発した、
「緊急事態宣言」
というのが、何なのか、バカバカしく感じた人も少なくはないだろう。
なんといっても、パチンコ店は、
「店を開けないと、どうにもならない」
といってもいい。
一日の売り上げが、数千万というところがあり、そこから家賃はいろいろな経費を差し引いて、それが儲けになるのだ。
売り上げがなければ、人件費保障、家賃、その他の機種の維持費などを考えると、一日何百万と出ていくことになるのだろう。
それで、
「店を閉めれば、一日数万円」
などというものを貰っても、鼻紙にもならないというものだ。
だから、店長は苦渋の決断をする。パチンコ協会からも、
「なるべく、国や自治体に協力するように」
といっても、同業者には、気持ちが痛いほどわかるはずだ。
それを、自治体は、
「要請に従って店を閉めなければ、店名を公表する」
と言い出した。
しかし、それこそ、大きな茶番で、店名を公表すると、
「その店は開いているんだ」
ということを、自治他愛のホームページを見れば分かってしまう。
そうなると、どうなるか?
ハイエナたちが、パチンコ店に押し寄せる形になる。それが、密を呼び、人流抑制といいながら、人を引き寄せることにつながるという、実に本末転倒なことになってしまうのであった。
それこそ、茶番である。そんな簡単なことが、どうして誰にも分からなかったというのだろう?
そんなことも分からない連中が発信する緊急事態宣言など、それこそ、机上の空論ではないか。
しかも、第一波が収まっても、そのあとに出てきた波が収まっても、何年経っても、いまだに、
「新型ウイルス」
という表現しかできないほど、やつらは、検証も何もしていないということになるのであろう。
そんな時代の中で、風俗業界も、相当な痛手だったようだ。特に、性風俗特殊営業と呼ばれるものは、大変だったことだろう。
元々、売春防止法というものがあるのに、性風俗というのが存在しているというのは、「矛盾しているのではないか?」
といわれるかも知れないが、これは、れっきとした市民権のある業種なのである。
元々、性風俗、いわゆる本番ありといわれるソープランドという業種は、江戸時代から続く遊郭がその前身であった。
次第に形を変え、戦後には、当局の許可を得た赤線、無許可の青線などと呼ばれる、グレーな商売もあったが、トルコ風呂と呼ばれる商売ができあがった。
垢すりを女性がしてくれるというものに、性風俗のサービスが結びついたものだが、この名称は、
「豪華なお風呂」
ということで、出来上がった名前だという。
そして、そのうちに、
「売春禁止法」
が、施行されるようになると、赤線、青線ができなくなり、行き場を失った彼女タッチが、トルコ風呂に流れてきたことから、性風俗と結びついたようだ。
そのうちに、一度はすたれかけた時期があったようだが、そこで出現したのが、
「泡踊り」
という商法だ。
川崎のトルコ風呂の女性が、自分で考案し、開発したとのことだが、これが嵌り、今でもソープランドのサービスとして、行われているものである。実際には、泡といっても、ローションとマットによるものだったり、泡にローションを配合した、特殊なものであったりする。
そして、何とか盛り返してきたトルコ風呂だったが、1980年代に入って、トルコの留学生が、
「母国のトルコという国をバカにした名称だ」
ということで、訴訟を起こした。
そのため、世間でも大きな話題となり、
「トルコ風呂」
という名前の改名を余儀なくされたのだ。
そこで、公募により、名前の募集を行ったが、その時、
「ソープランド」
という名前に落ち着き、現在に至っているのだ。
そして、その時同時に、それまで、あいまいだった性風俗関係の営業を、しっかりと法律で規制をかけることで、それまであいまいだったものを取り締まれるようになったのだが、同時に性風俗営業が、
「市民権を得た」
ともいえるだろう。
時代はちょうど、その前後くらいに、恐ろしい病気が話題に上るようになった。いわゆる、
「エイズ(HIVウイルス)」
のことである。
未知のウイルスで、原因もいろいろうわさされ、
「ベトナム戦争の時に、米軍がまいた枯葉剤の影響だ」
ともいわれていたが、それが全世界で話題になった。
エイズは、基本的には血液感染だった。一般的な性病のように、空気感染や、皮膚感染はないが、危ないのは、ゴムを付けない性行為、さらに血液感染として、今ではありえないが、当時まであった、
「注射針の使いまわし」
などであった。
消毒をして、他の人にも使っていたというのである。今では、注射器は、一度使うと廃棄になり、その廃棄もちゃんと管理しての廃棄になるのだ。なぜなら、エイズが流行った時、注射針に誤って刺さった医者が、感染したなどということも結構あったからだった。
エイズの怖いところは、致死率の高さもそうだったが、なんといっても、気が遠くなるような潜伏期間だった。
なんと、五年から十年というではないか。本人もいつ感染したのかすら分からないのに、いきなり発症するというのだから、恐ろしい病気であった。
それだけに、性風俗業界も、性病を含めたところでの、しっかりした感染予防が大切だったのだ。
ここ数年で起こった伝染病問題とも共通の問題もあった。むしろ、その時代の方が深刻だったかも知れない。
それは、エイズ感染をした人に対しての差別だった。
「あいつは。セックスで移った」
あるいは、当時、
「ゲイと呼ばれる同性愛者にエイズが多い」
といわれていたことで、男性であれば、
「同性愛者から、移されたのではないか?」
などという誹謗中傷を浴びせられ、死の恐怖におびえながら、世間からは蔑まれるという二重苦の人だって少なくはなかった。
それから、次第に世間も誹謗中傷を問題にするようになり、むやみに差別をしなくはなっただろうが、それでもゼロになったわけではない。問題は今も続いているといえるだろう。
そんな時代だったこともあり、特に性風俗関係や、医療関係においてのエイズへの対策が急務だった。
ソープランドに規制をかけ、その分、市民権を与えることで、闇でやっている商売とは違い、
「国に認められる性風俗」
ということになったのだ。
そのおかげで、性風俗業界には、規制が結構多かったりする。
風俗営業法には、基本的なことが書かれているだけで、基本的には、都道府県などの条例にその具体的な内容は明記されている。
前述の営業時間などもそうだが、例えば、
「営業できる範囲が決まっている」
あるいは、
「新たに店を開業することはできない」
などがそうである。
営業できる範囲が決まっているといっても、自治体によっては、県内に一切ソープのないところもあったりする。大阪府などはその一つであろう。
新たにできないといっても、以前営業していたところが潰れ、空き家に、別の店が入るというのは、問題ない。だから、
「数か月前は、違う名前の店だった」
ということもあるのだ。
営業範囲についても、いえる。
基本的には、普通の場所でポツンとソープが存在するということはない。
ほとんどは、大都市の中の繁華街の一角に、
「ソープ街」
などと呼ばれるところがあり、店が軒を連ねているというのが一般的だ。
だから、その通りに入る人は、皆、利用者だといってもいい。逆に通りに入ってしまえば、一般の人が入ってくることはないので、店をその場で選ぶ時も恥ずかしくはないということだ。
昭和の頃の、繁華街などでは、営業員のような、
「にいちゃん連中」
がいて、呼び込み行為を行っていたりした。
今ではそれも禁止され、ほぼ、呼び込みもない。さらに、歓楽街にはいくつかの、
「無料案内所」
のようなものが設置されていて、そこで、お店の情報などを聞いて、よく分からない人でも、女の子の好みや、店のコンセプト、さらには、軍資金の額によって、いろいろアドバイスをしてくれ、決まったら店に連絡をいれ、スタッフがそこまで迎えに来てくれるというところがほとんどであった。
そういう意味で、昔からの。
「怪しげな営業」
というものはなくなり、街全体が市民権を得ているといってもいいだろう。
とはいえ、すべての店が安心安全というわけでもないだろうから、利用するなら、それなりに、事前情報を仕入れておくに越したことはないだろう。それは風ぞ気を利用するということに限らず、飲食店であったり、施設の利用に際しても、誰もが普通にしていることだ。
ソープランドなどの、特殊風俗営業だからといって、かしこまることはないが、情報を正しく仕入れ、判断する力は必要だということである。
この物語は、そんな性風俗特殊営業の中の、ソープランドに起こった事件についてのお話であった。
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