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僕の中の線引きでは、さきおもセーフである。
次の日の定時後さきおの席まで行った。
昨日のあさきちゃんのライブの様子を聞く。
青田に聞くこともできたけど、あえてである。
ついでに青田はどうだったかも聞く。
相変わらず名波さんとは口を聞いた様子はない。
そのことをさきおにもしゃべった。
「青田はさ、名波さんのことが好きなのに一緒に居るだけで満足しているみたいなんだよ。」
「うんわかってる。」
「え?わかってるの?」
「みんな知ってるよ。」
「そうなの?そうか。そうだよね。」
あれだけわかりやすいやつは居ないか。
「会話ぐらいすればいいのにって思うんだけどどう思う?」
「青田君は一緒にいればそれでいいんだと思うけど、かわいいじゃない?」
「まあね、一緒に居られるだけでもいいのかもしれない。」
最近は、テレワークの仕組みが変わって同じ仕事をしているメンバーが週2で出社になっている。
つまり青田は会社で名波さんと会えない状態なのだ。
だからライブでだけ名波さんと会っているのだ。
そういう僕もさきおと出社のタイミングは会わないことが多くなって通知でいつも来る日を確認している。
だから今日みたいに出社タイミングが会えばこうやって上の階に来るのだ。
さきおもそれを知っている。
だから定時になってもすぐに帰らずに待っていてくれる。
それがともて嬉しいのだ。
今日はめずらしくあこも出社日で遅れてやってきた。
あこは昨日のあさきちゃんのライブの話を大声で始める。
まあ定時後の休憩時間だからいいか。
あいかわらず賑やかだ。
あこがしゃべりだすと僕もさきおも聞き役だ。
一通りしゃべり終わると大きくため息をつく。
僕とさきおが同時に笑った。
顔を見合わせる。
素敵な瞳だ。
しおみさんと付き合ってからもさきおだけは特別な存在なのだ。
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