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課長達の新居は、新築の匂いがそこかしこからして気持ちよかった。

そしてリビングが広い。

僕たちのほかに女性が4人ほど居る。

それでもスペースに余裕があった。

課長が共働きだといっていたけど奥さんも結構稼いでいるのだろうか。


「広いリビングですね」とイチローさんが言う。

「みんなが集まれるように広く広くってお願いしたの」と奥さん。

「お二人じゃ広すぎるぐらいですね」と年配の女性が言う。


奥さんから女性たちの紹介をしてもらう。

なんと4人ともドルヲタだった。

まあドルヲタパーティというぐらいだから当然なのだろうけど、みためは普通の人たちでちょっと意外な感じだ。

年恰好もばらばらだった。

僕やオルトに近い二人とぐっと若い子、それから奥さんよりちょっと上ぐらいのさっきしゃべった人だ。

上の人は若い子のおかあさんだった。

親子でくうちゃん推し。

オルトがよろしくお願いしますと挨拶した。

後のふたりは、ひとりがむあちゃん推し。

そしてもう一人がゆみるん推しだった。

なんと推しがみんなかぶってる。


ゆみるん推しの人は、舞山さんと言った。

まずは舞山さんと課長とゆみるんについて話し出す。

課長はぐっとリラックスしていていつもの課長じゃない。

だから僕も自然に話せた。

舞山さんは僕よりひとつ上だった。

最初からのゆみるん推しで、その前は別のグループを推していたという。

小学校の頃からドルヲタでかなりのベテランだった。

なんと自分もオーディションに参加したことがあるという。


まあかわいいというか、一般的にはかわいい部類だ。

オーディションの話をいろいろ聞けた。

「アイドル一筋ですね。彼氏は作らないんですか?」と課長が聞いた。

「かわいい子が好きなんです。オーディションも自分がアイドルになりたいんじゃなくてアイドルと一緒になりたかったんです。」

なるほどそういう理由か。

「彼氏は居たことがありません。」と素直に答えた。

そうなのかあ。イチローさんの女性バージョン。

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