第11話 確執・・・。

眼が閉じかけて線に為っていた。

 こんな淀は要注意!

決定事項がある証拠だ。

俺は殺されるのか?

まあ良いや外の空気を吸えるし、気分転換出来る。

淀が泰一を殺しに掛かっても太い腕で阻止出来る。

余り動かないで車椅子に座り大飯を喰らっていたから腹は臨月みたいに膨らんでいるが、二本の腕力だけは誰にも負けない!

兄貴だけには勝って来た。

医者の兄貴、一部上場企業のラグビー部のエース。社会人としての勝負は拮抗していた。

いつもライバル視していた泰一。そんなことは関係無くいつも飄々として頭ひとつだけ抜きん出ていた兄貴。誰が言ったか、お市の方・・・。

性別は違えど、戦国時代から因縁の有る兄弟と女達。

失敗していないのは兄貴だけか・・・。

そんな泰一の心情を知る由も無く淀は、水中花を観てパニックを起こした泰一のうつ病について、研鑽をしていた。

 夫が昨夜こぼした、強迫性障害と脳障害とは互換性が有る。との言葉を想いだしていた。

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