第9話ジャッカルを阻止せよ!

そこへ四菱のスクラムハーフが前方から突っ込む!パスワークはライトウイングの八束からフォワードの泰一だ!いつものパスは泰一へ直線的にスクリュー回転をさせて泰一へ渡すがこの時は、違った!

 パスのダミーを使いオフサイドギリギリの前方へパスをする!パスは後方へしなければ犯則だが手元が狂った様にダミーの後の上半身がブレながら前へパスを繰り出した!

 泰一へパスをすると見せかけ、つまりは四菱のスクラムハーフの胸へ向けて高速でボールを出した!トップで走って来たスクラムハーフはジャッカルを仕掛ける為、猪突猛進だったから咄嗟の事を回避出来ず、0コンマ1秒差で胸に当たってボールが前に零れた!

ピピーッ!ノックオン!

成功したかと思えた次の瞬間、四菱のフォワード2人が泰一と八束にウエスタンラリアートの様なハイタックルを仕掛けた!

 泰一の喉仏に太い腕が食い込み宙を舞った!

泰一の想い身体がフワリと舞い上がり腰と背中が一直線に為った後、ブレーンバスターの様に後頭部から着地した!ピーッ!ノーサイドのホイッスルが鳴って八束と泰一の企ては絵空事の様に消滅した。

 この試合依頼、八束は杖を使わねば為らず泰一は車椅子生活に変貌していた。

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