第69話 青炎

 AM3時 岡山市街 ビル

 サダベル「この炎の鎧は何もかもを溶かす、たとえ国でってもな」

 サダベルの肉体に青い炎が密着し、メラメラと輝いている


 カイラ「炎がなんだって?」

 カイラは耳に手を添えた


 サダベル「これが私の全力だ」

 サダベルはカイラに突進した

 ガシッとカイラに捕まり、奥のビルへと突き抜けた


 ガシャーン!と壁が崩壊し、崩れるビル

 人間たちは悲鳴を上げて四方八方に逃げ始めた


 カイラ「ほう」


 ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!

 次々と岡山の街並みのビルを突き抜けていく


 次第に崩壊していく岡山市


 カイラ「それだけかぁ!あんたの力はぁ!」

 ズドーン!サダベルの腹を蹴り上げた


 直角に飛んでいくサダベル


 サダベル「ぐぅ!」

 サダベルは、空に、大気圏へ、宇宙へと、吹っ飛んでいった


 カイラ「フッwww」

 カイラはくすっとあざ笑い、サダベルを追って宇宙へと飛んでいく


 カイラ「どうやらじじいは攻撃力に全振りしすぎたようだ」

 サダベルの魔法は計り知れない、だが自身の防御はそうではなかったらしい


 サダベル「ふん!」

 サダベルは大気圏で何とか身体を止めた


 すぐにカイラは追いついた


 カイラ「じじい、終いだな」

 水神リヴァイアサンがカイラの隣に出現し、大きな口を開けてサダベルに向かっていった


 サダベル「食らえ水神!奥義ブレアスピア!」

 サダベルの両目からレーザーがリヴァイアサンへと向かって発射された


 カイラ「ちっ」

 カイラは舌打ちをし、リヴァイアサンを転移させた


 ビュン!とカイラの隣にレーザー光線が通り過ぎた

 カイラの頬が焼き切れ、たらたらと血が流れる


 レーザーはまるで流れ星のように岡山市街の地に到達し、

 ドカーン!と大爆発を起こし、岡山の街はボロボロになった


 サダベル「そうだよなぁ、せっかく手に入った水神を殺すわけにはいかないよなぁ」

 カイラ「水神なしでもお前を殺せるさ」


 サダベル「だったら今度は"全魔力"だ。奥義ブレアスピアァ!」

 サダベルの両目から青いレーザーが発射された


 カイラ「おぉっとっとぉ!」

 その瞬間、カイラはサダベルの正面へと転移しサダベルを殴り飛ばした

 顔が側方へと傾き、レーザーの発射角度が変わってしまった


 その先はアメリカだった。


 アメリカに流星の如く飛んできた光線は発射から0.001秒後にニューヨーク市街地へと到達した


 その瞬間、宇宙からでもわかるようにアメリカ全域の地盤が歪み始めた

 そして、歪んだ地中に大爆発が起きて、アメリカ全域のあらゆる建物が粉砕し、藻屑となった


 カイラ「じっとしろぉ!」

 カイラはサダベルの背後でガシっと羽交い絞めにし、拘束した


 サダベル「離せ!!」

 カイラはサダベルの頭部を両手で押さえた


 カイラ「今まで学園長の勤めご苦労だったな、退勤しろ」

 サダベル「やめろおおおおおお!!」


 ゴギッ!!!!


 サダベルの首をへし折り、サダベルは動かなくなった


 カイラ「やっとくたばったな」

 カイラはサダベルを片手で抱え、池袋へと向かった


 更地に還った池袋


 悠「うそだろ、これが池袋なのか?」

 おれは沖縄から池袋へと繋げた


 悠「やったのか!カイラ!」

 上空から学園長を抱えたカイラが降ってきた


 カイラ「まだです。まだアレンがどこにいるのか探さないと」


 俺はこのことを彼に打ち明けるか悩んだ


 悠「カイラ...残念だけどお前の友達は殺されたよ」


 カイラは俺の顔を見て、絶望した

 すぐにうつむいて


「アレン...!」

 力強く下唇を噛み、下を向いたまま1分静止した

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