第52話 王の集会

 ヒューっと砂風が舞う中、フロスト王を乗せた馬車を先頭に、私とメント、クリスを乗せた馬車が進む


 フロスト「もう着くぞ!」

 フロストが叫ぶと馬車が止まり、視界の悪い目の前には赤い大扉があった


 ゴゴゴゴ..奇音を鳴らし、大扉が開いた


 フロスト「結界を張れ」


 兵士「ハッ!」

 そういうと兵士たちは両腕を門へ伸ばし、結界魔法を使い城を覆った


 クライス「凄い砂嵐だったな、貴公の国はいつもこうなのか?」

 フロスト「そうだ、我が国ハッタンでは砂の獣バースの加護により何者の攻撃も受け付けない、その代わりに国を砂で覆う契約を交わしている」


 ???「おおお!ようやく到着したようだな!盟友よ!」

 城から出てきたのは鉄槌を背負った赤いコート姿赤ひげの大男だった


 クライス「ダイカン!君ももう到着していたか」


 20年前、クライスとダイカンは共に魔王を討伐して世界的な英雄となった


 ダイカン「ふははは!久しいな!」

 ダイカンはそういうとクライスの肩をドンッと叩いた


 兵士「フロスト陛下、準備が完了いたしました」

 フロスト「うむ、では二人とも、そして護衛の者ども、ご苦労であった!城へ入ろう」

 一方そのころ、ハッタン王国城下町

 城の裏手には、結界術が施された広大な都市が広がっていた

 ガヤガヤとした都市のとある商店の前でりんごを頬張る木槌を背負った中肉の男が立っていた。彼はりんごを食べ終わると、城を目指し、ドシドシと歩き出した。


 ???「げへへ、王たちが揃ったみたいだなぁ」

 そう言って男はカバンから取り出した、"海賊帽"を


 そうして俺たちの会談が始まった

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