第4話 ライトノベルについて語りたい

 ねえ、なにか飲む。私コーヒーいれるけど、あなたは?

 そう、同じでいいのね。


 ジョー(ポットからお湯が出る音)


 私アイスコーヒーも好きだけど、夏にクーラーのきいた部屋で飲むホットコーヒーも好きなのよね。冬には味わえない贅沢よね。

 ほら、どうぞ。あなたの分もいれてあげたわ。このマグカップいいわね。スマーフだったけ。この妖精かわいいよね。このキャラってチーズのパッケージになってたわね。

 私のマグカップはね、このルパン三世のよ。

 吉野君はどのルパンが好き?

 最初の緑ジャケットのルパンなのね。初期のルパンは大人向けでかっこいいわね。でも私は断然、カリオストロの城のルパンね。クラリスを命がけで守るルパンがいいのよね。

 好きなシーンはね、あのラストもいいけど今はこれだけって言って万国旗をだすとこよ。そこでクラリスが辛い幽閉生活を忘れてくすって笑うのよね。カリオストロの城のルパンは優しくって素敵よね。


 ズズッ(コーヒーをすする音)


 ふー美味しいわ。私は砂糖だけをいれるのが好きなんだけど吉野君はミルクも砂糖もたっぷりいれるのが好きなのよね。

 ううんっ全然子供っぽくないわよ。なに、そんなこと気にしているの。これから一緒に暮らすんだから、お互いの好みは尊重しましょう。


 で、本題よね。

 そう、ライトノベルの起源についてね。

 一言にライトノベルっていっても色々あるわよね。SF、ミステリー、学園ものにファンタジーでジャンルは多種多様よね。

 吉野君の説では、幻魔大戦が最初のライトノベルのひとつだっていうのよね。

 たしかに幻魔大戦は異能力バトルといってもいいし、キャラがたっているし、ストーリーも重厚だしね。映画もヒットしたしね。

 でも幻魔大戦はライト、すなわち軽いかって言えば微妙よね。

 

 でしょ、ライトっていうには内容が絶望に満ちてるわよね。もちろん暗いストーリーのライトノベルもあるから一概に内容ではくくれないけどね。

 ここで私が思うライトノベルの起源を発表しますね。


 ううっん(咳払い)


 ドンドンジャカジャカ♪♪


 それでは発表します。私、友永有紀子が考える日本で最初のライトノベルはそうご存じロードス島戦記です。

 パチパチパチ(拍手)

 もちろんこれは私の独断と偏見であります。異論もあろうかと思いますが、私はロードス島戦記を推すのです。

 ねえ、なつかしいでしょロードス島戦記。

 そうよ、小学生のときに吉野君にすすめてもらった小説よ。ほかにもアルスラーン戦記に女神転生、フォーチュンクエストも教えてもらったわよね。

 私の家じゃ、漫画は禁止だったけど小説は読んでもよかったのよね。

 ロードス島戦記は文庫で手にいれやすかっしね。私あの小説でファンタジーにはまったのよ。図書館で指輪物語も借りて読んだのだから。

 ロードス島戦記でエルフやドワーフを知ったのよね。

 私が好きなのはディードリットよ。日本のエルフの代名詞といえばディードリットよね。

 あとね、カシュー王もすきっだたわ。

 渋くてかっこいいのよね。

 私の個人的見解だけどロードス島戦記が日本のファンタジーのフォーマットとなったといっても過言ではないわ。

 えっどうしてそんなにロードス島戦記が好きなのかって。

 だって小学生のときに吉野君にプレゼントされたのがこの小説だからよ。

 そんな昔のことよく覚えてるなって。だって私にとって小学生のときに吉野君と遊んだのは一番大事な思いでなんだから。

 私、中学から私立にいったから、吉野君と遊べなくなってとても寂しかったのよ。

 でも去年の夏コミであなたと再会できて本当によかったわ。

 それにプロポーズまでしてくれてってちょっと吉野君、聞いている?


 スースー(寝息)


 もうっ今夜は徹夜でゲームしたり、アニメみたりしようと思ってたのに。

 でも寝顔もかわいいわね。

 吉野君、好きよチュッ。

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