第243話 抽選会
キャップ野球で息抜きしつつも、本業の方は疎かにしない。今もブルペンでプリンス相手にしっかりと投げ込みをしている。
最近はMAXを更新したりと、調子も良い。
これで、速度を落としたツーシームもモノに出来たら夏は盤石だろう。
「縦スラはどうするんですか?」
「俺にあんまり向いてない」
ストンと落ちるボールが欲しくて縦スラに手を出したけど、投げてもこれ以上磨ける気がしない。
騙し討ちみたいな感じで1試合に1球投げるくらいなら良いと思うが、とても信用して投げれるボールじゃないね。
「ですか。高速チェンジアップを覚えて良かったですね」
「それな。あれのお陰で一気にピッチングの幅が広がったよなぁ」
輝夜さんには感謝だぜ。
今は剛元とかバッティング指導の方にお熱だが。
そのせいでキャプテンのやる気がちょっと低い。
全く。女性の有無でモチベーションが変わるとは。キャプテンの風上にも置けない野郎だ。
お前が言うなって? それはそう。ごめんね。
「もうすぐベンチ入りメンバーも発表だなぁ」
夏の予選はまもなくだ。
どこよりも長い夏にしたいね。
「はーい。ただいま。抽選結果を発表するよー」
キャプテンが帰ってきた。
今日は東・西東京大会の抽選会があったんだ。
去年は俺と北條先輩で行ったが、今回はキャプテンのみ。果たしてそのくじ運は…。
「うーん…。可もなく不可もなくって感じ」
「決勝で三高か」
一番気になる三高は向こうの山だ。
あ、白馬君の松美林も向こうだ。もしかしたら、もう戦う機会がないかもしれないのか。
「三高と松美林が向こうなのはありがたいけど、それ以外の強豪校がこっちだよね」
「だから可もなく不可もなくなんだろ」
キャプテンが持ってきた紙を見てやいやいと言い合う。キャプテン的には会心の引きだったらしい。
可もなく不可もなくって言われて、少しシュンとしている。
「創英も国無舘も東海大もこっちか」
「創英と国無舘は潰しあってくれるでしょ」
まぁ、夏の予選なんて何があるか分からん。
それこそ、去年みたいに試合中にアクシデントが連発するかもしれないし、試合前に腹痛で試合に出れないとかなる奴が出るかもしれない。
今、わーわー言ってても仕方ないか。
「さてさて。練習を再開しますか。結局どこが来ても勝てば良いんだ。春のセンバツ優勝校として、恥じない試合をしよう」
「ですな」
キャプテンが良い感じにまとめて、雑談タイムは終了。キャプテンの言う通り、どこが来ても勝てば良いんだ。それが出来るくらいの戦力が龍宮高校にはある。
「ほんと怪我だけには気を付けようね。それだけが心配だよ」
「ほんとにね」
ここまで順調だとそういうのが本当に起こりそうで怖い。俺の突き指で厄祓いが出来てたら良いんだけど。あれも一歩間違えばやばかったしね。
「よーし! 景気付けに打席勝負でもやるか! 誰か俺の相手になってくれる奴はいないかな!!」
レオンと大浦、隼人が挙手をしている。
うむ! 相手にとって不足なしですな!!
ピッチャー返しが怖いので、しっかりゲージだけは用意させて頂きますね。
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はい。という事で今章はこれで終了です。
お疲れ様でした。まぁ、紅白戦をやって日常を少し垂れ流した感じですね。
次章はいよいよ二度目の夏予選。
果たして龍宮は夏の甲子園に行けるのかって感じですね。是非みんなには頑張ってもらいましょう。
ではではまた次章で〜。
あ、作者は他にも作品を更新してますので、良かったらそちらもご覧くださーい。
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