第161話 顔合わせ


 キャプテンを除く、全部員が集合。

 監督に父さんと母さんもやってきた。

 二人も新入生が気になってたんだろう。蛟とは顔見知りだと思うが。


 「蛟原こうはら 北斗です。ポジションは投手! シニアの最後の大会は準優勝でした! 憧れの人は勿論豹馬君です! みんなからはミズチって呼ばれてました! これからよろしくお願いします!」


 最初はミズチから。一応特待生である。

 ってか、シニアは準優勝までいったんだ。

 俺らの代より成績良いじゃん。去年、俺らはベスト4で負けちゃったからなぁ。

 どこかの誰かさんが発熱とやらで先発回避するから。はぁーやれやれ。自分の体調管理も出来ないなんてどこの馬鹿なんだろうか。



 ミズチは普通に良い投手だ。右投げ右打ちで本格派。

 キャプテンに似ている感じだな。線は細いけど、これからも伸び代だらけだろう。

 ミズチが入った事によって、大浦は投手をやらなくて良くなるかも。ベンチ入り出来ればの話だけどな。



 「王子 ミカエルです。ポジションはキャッチャー。シニアの最後はベスト4でした。どうぞ、気軽にプリンスと呼んで下さい。よろしくお願いします」


 お次も特待生。日本とアメリカのハーフらしい。

 神奈川からスカウトされてやって来たみたいで、高校生活は寮生活するっぽい。

 しかし、プリンスって。ナルシストさんなんだろうか。髪の毛ふぁさぁってやってるし。

 でも残念ながら王子は俺なんだよな。

 パーフェクトプリンス三波豹馬だぞ? ただのプリンスに負ける訳にはいかない。


 俺が密かにライバル心を燃やしてる間にも、紹介が続く。後の三人は準特待生と一般の子だな。

 因みに、俺はシニアについては全く詳しくない。自分のレベルアップに忙しくて、そこまで情報を追えてないんだよね。

 だからプリンスの事も知らないし、後の準特待生メンバーや、一般の子も知らない。



 「あ、次は俺っすか。剛元 悠介です! ポジションはサード! ですが、高校では外野も視野に入れて頑張りたいと思ってます! 中学最後はベスト8! よろしくお願いします!」


 埼玉県出身のTHE・野球少年って感じの子。

 この子も寮生活をするみたい。


 ほほー。それにしてもサードとな? レオンからレギュラーを奪取してやりますってぐらいの気持ちを見せてくれるかと思ったのに。外野へのコンバートもありと。

 まぁ、レオンからポジションを奪えたらもうプロに行けるだろうしな。目指すのは全然ありだとは思うけど。



 「速水 竜也です。ポジションはセカンド。中学最後はベスト8でした。よろしくお願いします」


 この子もさっきの剛元と同じく埼玉から。同じシニア出身らしい。

 なんかクールな子だなと思う。それにとても賢そうな子。全くアピール的な事も言わなかったけど、大丈夫だろうか。いや、別に良いんだけど。扱いに困る感じにならないといいな。龍宮はノリが馬鹿な子が多いので。


 「一二三 球児です! ポジションは外野ならどこでも! 中学は2年の頃に怪我をして、ほとんど試合に出れていません! やっとリハビリが終わって、まともに野球をやるのすら久々ですが、頑張ってついていきます! よろしくお願いします!」


 むっ? なんか新入生組がざわついてますが?

 この子は有名なのかね? 怪我をしてたらしいけど。

 でも目が滅茶苦茶キラキラしてるし、野球をやりたくて仕方ないって感じの普通の野球少年にしか見えない。

 まぁ、怪我でずっと野球が出来てなかったらしいし、然もありなんって感じ。

 俺も前世は怪我で野球を諦めたから良く分かる。


 「中々楽しみな新入生達じゃないか」


 

 


 

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