第118話 甲子園へ
甲子園に向かうギリギリまで、練習試合を入れて試合勘を戻す。
課題がある選手は少しでも修正しようと練習する。
「うーん、こんなもんかな」
俺はというと、試合を重ねる毎にしっかりと調整する事ができ、ようやく大きくなった体を十全に使う事が出来るようになった。
特に体の一部分に負担がある事もなく、気持ち良くピッチングが出来ている。
「学校にあるスピードガンでは、常時とはいかないまでも150キロが当たり前にでるようになったな。悪くない」
「ほんとヒヤヒヤしたよ。間に合わないんじゃないかと思った」
今日もブルペンで練習に付き合ってくれた、タイガはホッとしてる。
豹馬さんだぞ? なんとかするに決まってるじゃないか。
「キャプテンも大台にのせたよね」
「復活してから、冬の地獄を乗り越えたからな。体の厚みが違う」
流石3年生って感じ。清水先輩程ゴリラじゃないけど、体ががっちりしてとうとう150キロが出せるようになった。
「レオンの新フォームも怖いぐらい順調だし、上位打線のみんなもしっかりレベルアップしてる。甲子園が楽しみだー」
「春はそんなに注目されてないかもだけどね」
「馬鹿野郎。注目せざるえなくするんだよ。150キロをぽこぽこ出して、打線もホームランをぽこぽこ打ったら見ざるえなくなる。ふはははは! 主役は龍宮高校だ」
「その自信が羨ましいね」
それだけの練習をしたと自負してます。
根性論は嫌いだけど、『あれだけきつい練習をしたんだから大丈夫』って思えるのは大事だと思う。
後は、実力以上の事をしようと思わない事だね。
いつも通りの事をやるって思えば、緊張しないと思うんだ。
その精神状態に持っていくのが難しいんだけど。
「さーて、残り僅かの練習も怪我せずしっかりこなすかね。豹馬君フィーバーが甲子園で待ってるぜ」
月日が進み、甲子園への出発前日。
わざわざ理事長の叔母さんが部室まで激励に来てくれたりと、一悶着あったがそれはそれとして。
寄付金も結構集まってるらしい。
新設校だから、卒業生がまだまだ少ないんだけどね。甲子園パワーは凄いって事だろう。
叔母さんも結構野球部に投資してくれてるし。
俺がプロになったら、たんまり寄付しよう。
龍宮高校には、プロになりそうな選手がいっぱい居ますからねぇ。
将来は安泰じゃないでしょうか。
「明日寝坊とかすんのはやめてくれよー」
ミーティングも終わり、解散。
監督がフラグみたいな事言ってるけど大丈夫だと思いたい。
楽しみすぎて寝れない可能性もあるけど。
「甲子園で一本で良いからホームラン打ちたいな」
「お前が打ったらやばいだろぉ」
ぼそっと言ったのに、隼人は聞いていたらしい。
やばいとは? 可能性はあるもんね。
高校球児なら、甲子園でホームランは憧れても仕方ないと思うんだよね。
くっ! こんな事なら死後の世界でバッティングもしっかり練習すれば良かった。
三振を奪う事ほど、ホームランに魅力を感じてなかったんだ。
しかももう少しセンスがあると思ってた。
まさかここまで打てないとはね。
甲子園かー。
高校球児が行きたくて仕方ない夢の舞台。
俺は別にそこまで意識してた訳じゃないのにな。
いざ、行くってなるとやっぱり嬉しい。
高校球児には特別なんだろね。
「甲子園でチヤホヤされるぞー!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これで今章は終わりでーす。
掲示板とかを入れて次はいよいよ甲子園。
豹馬達、龍宮高校の活躍をお楽しみに!
ではではまた次章で〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます