第117話 課題多し


 七回表からの登板。

 肩もしっかり作ってやる気はMAXだったんだけど、結果がついてこない。


 クリーンナップから始まった相手の攻撃に先頭バッターからヒットを打たれる。

 次のバッターが4番だったから、送りバントはしてこなかったが、しっかり進塁打を打たれる。

 そして5番には深めの外野フライを打たれて、ランナーはタッチアップしてツーアウト3塁。

 ようやく6番で三振を取れて、なんとか無失点で切り抜けられたものの、内容はよろしくない。


 「むーん。空振りが取れん」


 「際どい所も見逃されちゃってるしね」


 「ストレートにキレがないんだよなぁ」


 「棒球って程じゃないけど、打ち頃にはなってるかもしれないね」


 困ったな。体をどこまで使えるか、探り探りで投げてるから出力が安定しないんだよね。

 一回全力で投げて、そこから下げていくのがいいのかな。


 幸い、練習試合だし負けても良いんだ。

 いや、負けたくないけど、公式戦でこんな事になるよりは今しっかり試しておかないと。


 「次の回、四球連発するかもなぁ」


 守備の皆さんにはご迷惑をお掛けします。

 ちょっとばかし、豹馬劇場に付き合って下さい。




 「ぷぎゃー」


 案の定、全力で投げたらコントロールが安定せず、2つの四球とヒットで一点を失う。

 尚も、ツーアウト1.3塁で三塁線に強い当たりを打たれたが、レオンのダイビングキャッチからの素早い送球でアウト。

 バックに助けられて、なんとか最小失点で終える事が出来た。


 「あざーす」


 「ごちそうさん」


 何故奢る事になるのか。いや、別に良いけどさ。

 それぐらい今日の内容はひどい。

 とにかく三振が取れない。フラストレーションが溜まりますねぇ。


 「でも、大体分かってきたかも? 多分」


 「さっきの回の最後の方は良くなってきてたっぽいよね。時々抜けた球があるから、強い当たりを打たれてるけど」


 指先がかじかんでるのが良くないね。

 これだからこの季節のピッチングは嫌なんだ。

 俺は図太い性格をしてると自負してるけど、指先は繊細ちゃんなんだぞ?

 指先の感覚がちょっと狂ったせいで、前世は全く投げられなくなったんだから。

 今世はしっかりケアしてるけど、寒さはどうしようもないね。


 「この時期にあんまり投げ込みたくないけど、そんな事も言ってられないか」


 寒い時に投げるのが嫌すぎて、ブルペン行くのも敬遠してたからなぁ。

 室内練習場にこもって調整するかね。



 九回も四球一つと連打で一点を取られて、試合終了。

 7ー5と龍宮高校は勝利したが、俺は三回二失点と散々な結果に。

 ほんと、練習試合で良かったよね。


 「課題がいっぱいですなぁ。センバツまでに間に合わせないと。豹馬君フィーバーが待ってるってのに」


 「今のままだったら、井の中の蛙とか言われそうだよね」


 東京が井の中な訳ないでしょ。激戦区ですよ。

 タイガ君はちょっと難しそうな言葉を使って、賢いアピールでもしてるのかな?

 君の現国のテストの点数知ってるんですよ?


 「なんとかするさ。俺は本番に強い男だからな!」


 「夏は怪我したけどね」


 それを言うな。泣いちゃうぞ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 割と連載初期から、週刊現代ドラマ10位以内をキープしてたんですけど…。

 とうとう落ちてしまいました。

 まぁ、これでモチベーションが下がって更新が遅れるって事はないので御安心を。

 初連載って事で不安ながら始めたこの作品ですが、思い入れもありますし絶対完結までは持っていきたい。

 一応高校編で終わりにしようかと思ってるんですが、その後の反響次第で続編を書こうかなと考えてます。

 完結はまだまだ先ですがww


 もしフォローと星の評価がまだの方がいれば是非是非お願い致します。



 PS.神宮の魔王様の作品がとうとう最終章っぽいんですよねぇ。

 作者はあの作品を読んで【未冠】を描き始めたので悲しい…。

 なんとか50歳ぐらいまで現役を続けてくれないもんか…。

 こういうのって作品名出して良いんですかね?

 分からないんでぼかしてますけど、ぼかし切れてるとは思ってませんww

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