第35話 VS松美林1
やって来ました明治神宮球場!
いやぁ、父さんの日本時代のホームという事もあり、テンションは上がっております。
打者有利の球場なので、俺には不利かも知れんが。
そんなこんなで一回表、松美林の攻撃。
先頭バッターは左打者の白馬君。
初っ端からラスボスである。
勘弁しておくれ。
結局三井先輩に先発を代わってもらって、初回からブルペン待機してもらっている。
松美林のベンチも初回からブルペンにいる先輩に戸惑ってる様に見える。
出力問題は解決していない。
俺はラスボス相手に手抜きで勝負を挑まないといけないのだ。
木の棒で魔王に戦いに行く勇者のように。
だが、ただの木の棒と侮る事なかれ。
今日はツーシームもスイーパーも解放するつもりである。
Lv99の木の棒なのだ!
「喰らえ! エクスカリバー!!」
なんとなくぼそっと独り言を言って初球を投げる。
アウトコースへのストライクからボールになるスラッター。
見逃してボール。
前回使ってないスラッターを早速投げた。
出来れば振って欲しかったんだけど。
甘めのストレートに見えたと思うんだけどなぁ。
見極められた?
2球目はストレート。
初球と同じ様な所に投げた。
これで見極められてるかどうかわかるだろう。
「くそったれ!」
綺麗に流し打ちでレフト前ヒット。
見極められてるっぽいなぁ。
左打者絶対殺すマンの自信が無くなってきましたよ。
あーあー。嫌なバッターを塁に出したなぁ。
白馬君、盗塁も上手いんだよね。
って、リードでかぁ!
牽制球を投げる。
これでもセットプレイは死後仕込みよ!
牽制もクイックもプロ顔負けさ!
そう簡単に走らせんぞよ!
……久々に初回の先頭バッターに打たれたからテンションがちょっとおかしくなってる。
もう一球牽制球を投げて2番バッターを見る。
送りバントの構えしてるけど素直に送ってくるのか。
面倒くさいチームだなぁとしみじみ思う。
まぁ、送るならどうぞとクイックでインハイへのストレートを投げる。
見送ってストライク。
白馬君は走るフリだけ。
ちょろちょろしないでよねぇ。
サウスポーだからモロ視界に入って鬱陶しい事この上ない。
それが狙いなんだろうけど。
牽制球を一球投げて、2球目。
インローへのナックルカーブ。
今回はバントする気だったのか、バントの構えのまま空振りでツーナッシング。
今回も白馬君は動かず。
ふはははは!
俺のナックルカーブはバントしにくいだろう。
さて、スリーバントしてくるのか、ヒッティングに変えてくるのか。構えはバントのまま。
3球目。
白馬君はスタートを切る。
そして2番バッターはバットを引いてヒッティング。
だが俺はタイガのサイン通りアウトコースへ大きくストレートを外して、三振。
そのままタイガは二塁へ送球。
これも外していたのでアウト。
タイガは肩も強いしね。三振ゲッツーである。
ばーかばーか!
俺から簡単にヒット打つからこういう事になるんだ!
今度からは大人しくしておく事だね!
その後3番バッターをサードゴロに打ち取ってチェンジである。
ってか、サード正面のゴロがギリギリって足速すぎ問題。
「ふえぇ。疲れる。なんかめっちゃ神経使った。白馬君嫌い。スラッター引っ掛かってくれへんし、ストレート簡単に打ってくるもん。そんなん出来ひんやん、普通。白馬君嫌い」
大事な事なので2回言いました。
白馬君半端ないって。
くそぅ。せめて、俺が万全の調子ならもっとやりようがあるのに。
負け惜しみか。
こういう時こと俺の投手力が試されるってもんよ。
常に万全のコンディションで投げられる訳もなし。
どうやって抑えるかねぇ。
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