第380話 説明
「ちきちき!! 第無量大数回! レト・ノックス眷属会議ー!!」
「キュンキューン!」
「ゴギャギャー!」
さあ、始まりました。久々の眷属会議。
相変わらず俺の開始の宣言に乗ってくれるのは妲己とアシュラのみ。
前までは『ちきちき!』にローレライが反応してくれてたのにね…。流石に飽きたっぽい。
「無量大数って何ー?」
「なんだろうな。正直俺も良く分かってないんだ」
それよりも無量大数の方に興味を持った様子。俺も概念として知ってるだけで、無量大数が数を表すアレなのかは良く分かってない。昔、そろばんをやってる奴に数の単位の歌を教えてもらって、一番上だったのが無量大数だったから覚えてるだけだ。兆からの先の間は覚えてない。
「ふむん。出席者はなんかいつも通りになったな」
なんか報告とかがあれば開いてる眷属会議だけど、参加者はいつもまちまちだ。ダンジョンにこもってるオロフリンなんて、滅多に出てこないし、要塞の管理をしているアギャインも同じく。お城周りの湖に普段住んでのんびりしているボスコも居ないし、他にも体格的に城に入ってくるのが面倒なクレイグやロボも居ない。
この前は俺が久々に目覚めたから、出て来てくれたけど、そうでもない限り、こっちが強制しないと出てこない。
「呼びますか?」
「いや、良いよ。後で誰かが伝えてくれたら」
それなりに重要な話をするつもりだけど、後で誰かが伝えてくれたら問題ない。うちの眷属にまとまりなんて求めてないし。
やる時にバシッと決めてくれたらそれで良いですよ。
「えーっと、竜王に色々話を聞きました。俺の【神鍵】の事とか、奉仕神の事とか」
俺は竜王に聞いた事を説明する。新しく出て来た亜神なんてのもしっかりと。やっぱりあいつは長く生きてるだけあって、色々な情報を持ってやがるぜ。
聞いたら大抵は教えてくれるから、竜王wikiみたいなってる。まあ、聞くにはあのテンションを耐えないといけないんだけど。
「亜神ですか…。ではレト様が【神鍵】を使い、奉仕神に勝つ事が出来れば、その亜神になる可能性があると?」
「そういう事。まあ、テムテン様とアイシュ様が俺の事を認めればだけどね」
なんたってノックス様の仲良しだから。どんな原因で封印されたのかは知らないけど、自分達が封印した相手と仲良くなってるのはいい気はしないだろう。
自分の子供を封印するってよっぽどの事だと思うんだよね。
「それにこれは、妲己、アシュラ、アギャイン、サマー、ミシェル、ロボ、クレイグにも言える。多分、お前らが進化したらこの【神鍵】の能力を手に入れられると思ってるし」
俺が進化した事によって、更に進化出来るようになった眷属達。こいつらも【神鍵】を手に入れる事が出来るんじゃないかと思う。
こいつらにも亜神になれるチャンスがあるわけだ。
「こう聞くとアレですね。やはり人類種より魔物の方が恵まれてる感じがしますね」
「あー、それだけど。人類種も亜神や奉仕神になれるらしいぞ」
「……そうなんですか?」
「竜王がそう言ってた」
俺が最後に質問した亜神はどれくらいいるんだって話。竜王は全員知ってる訳じゃないと、前置きした上で10人? 10柱? 単位が分からんけど、二桁は超えるらしい。
大体一つの大陸に1〜2はいるんだってさ。
この魔大陸には居なかったじゃんって聞いたら、昔は居たらしい。が、亜神同士がドンパチして、相討ちで倒れていなくなったとか。
それでテムテン様とアイシュ様が呆れて、見捨てられた大陸になってたって話だ。
「サマーとミシェルのご先祖様らしいぞ」
「なんじゃと?」
「まあ! そうなんですかぁ?」
天使と悪魔。その種の亜神がこの大陸の管理を任されてたのだとか。竜王も喧嘩の理由は知らないけど、10年ぐらいドンパチして最後は相討ち。
あの時は人間大陸は勿論、その他の大陸にも余波がいきまくって大変だったらしい。
「まあ、魔大陸の事はさておき。人類種の亜神は別の大陸に居るらしいぞ。俺達がやっと事で見つけた別の大陸だけど、他にも結構あるっぽいな」
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