「…………はッ！　残念だったなぁ、零さんよォ！！！」

「……ッ！」

　僕は動揺している感じを出す。

：あれ、零くんの勝ちパターンじゃなかったの？！

：これは本格的にダメなやつなのでは……？

：明らかに動揺してるし……

「……そう、ですか。みずなさんはそっちを選んだんですね……」

「おいおい、急に勢いがなくなってんじゃねーかァ？　ああは行ったものの、こっちには来ねえって確信してたんだろうからなァ」

　そして、だんだんと配信越しにダッダッダッと足音が聞こえてくる。聞こえなくなったことから近くにもういるのだろう。

「これで貴様は俺らの営業妨害をした、という事実だけが残ってしまったなァ？」

　……あ〜あ。

　こんなあっさり、勝てちゃうんだね。

　すると突然──僕からしたら当然のこと、配信越しではなく直接玄関が開く音がし、スタスタと足音が聞こえてくる。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい