第71話.コラボ配信 2
「おっ、やっときましたね! 本日はコラボ、よろしくお願いします!」
「──……ども、みずなの父です」
:は? 父親?
:なんでだよ
:みずなは?
「……みずなは今、家に帰ってきてません。帰ってきてから通話しようかと思ってたんですが、さっきの口ぶり……零さんがなにかしたんですか?」
「さぁ? どうでしょうね」
「……」
:罪を裁くってことは、零くんvsみずなの配信ってことか
:配信内でするとは悪質なw
:でも、なんでみずな本人がいないことと関係するんだ?
「それに零さん、わたしの罪を裁くとはどういうことですか? わたしは何もしていませんよ?」
「あはは。あんなに自分の娘を脅して配信させてたのに、どの口が言ってるんですか?」
「……ッ!」
:え、脅して?
:みずなは無理やりさせられてたってことか?
:新情報すぎるんだが……
:零くんはどうやって知ったんだよ
:証拠がないとさすがに信じられんな……
「そうですよ。どこにそんな証拠があって言ってるんですか?」
「うーん、証拠、ですか〜……」
「その反応、やっぱり証拠なんてないんですか。嘘で相手の印象を下げるのはよくないですね」
「いやいや、証拠しかなくて困ってるんですよ。どれから公開しますか?」
「……は……?」
「ま、とりあえずご主人様の疑問から答えていきましょうか。知った経緯、というか、これで知らせてくれたんですよね」
そう言って、僕は例のDMのシーンを切り抜いたものを画面にだす。
「……あぁ、ありましたね。それで、これがどうかしたんですか?」
「やっぱり気づきませんか。お酒が大好きらしいので、今日ももう飲んだんでしょうね。ですが、飲み過ぎは注意ですよ。これみたいなことになりますからね? ほら、コメントも気づいてますよ」
:クッソ雑な縦読みじゃねえかwww
:これ気づかないのはさすがに馬鹿じゃね?www
:だけど、この雑さが逆に信憑性を増してるな
「縦読み……? ……ッ!」
「おっとわかりやすく動揺しましたね。みずなにもうこんな元気はないと思ってたんですか?」
「……子供は嘘をつくのが好きですからね。気の迷いですよ」
「まぁそう思いますよね。僕もそうでしたから。もし、みずなとこっちの世界で会えなければ、あなたの勝ちでしたしね」
「は……? 会ったのか……?」
「あれ、もう平常心を失ってきてますね。そうですよ。じゃないと、次の証拠は手に入れられませんでしたから」
そう言って、僕は例の音声ファイルを準備する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます