特別番外編!!!

ヤマトさんとのコラボ配信

《まえがき》


前回も言った通り、今回は @asasinn0125 さんとのコラボ回です。まだそちらの小説を読んでないという方は検索してお読みになってからをおすすめします。


規約違反防止のためURLははれません。申し訳ないです。











──ついに、ついにこの日がやってきた……!




:きちゃ!

:きちゃ!

:ついにこの二人のコラボが始まるのか……

:先週はすごかったなぁ

:今日も楽しみすぎるんですけど……

:おぉ……こっちの待機画面も凝ってるなぁ

:零くんによると、ましろさんとヤマトの合作らしい

:待機画面に関わるのすげーな

:さすがはヤマト様です!

:本物のイラストレーターに引けを取ってないのがまたすごい

:てか、マジでこの2人のコラボは予想できなかったな

:このNOW LOADINGがこんなにも長く感じるのは初めてかもしれない……




うわぁ……まだ待機画面なのに、コメント早すぎでしょ……。


「お〜、先週もでしたけど、やっぱり異例のコラボってことで同接数が多いですね〜」

「……このまま増えていったら、僕が前にみーちゃんとコラボしたときまで行くんじゃないですかね」

「あ〜、1回の配信で22万人いったらしいですね。改めて思い出しても、2回目の配信であれはおかしいですよ……。でも、このペースなら終わる頃にはもしかしたら……」


そう言って久遠保仁久遠さんが小さく笑う声が聞こえる。


えぇ……前は気づいてなかったからよかったけど、今回は予め多いことが分かってるし、絶対緊張するんだけど……。


先週もしたのに緊張するのかよ、って思う人にはわかって欲しい。何回しても緊張するのだ。


配信を始める前に、少しだけどうしてこうなったかを振り返ろう。


僕の名前は吉村凪。4月22日にこの世に生まれた。知らない人が多いけど、執事の日生まれ。


ん? 振り返り過ぎだって? しょうがないなぁ。


少し前の学校でのこと。僕は陰キャオタクの中のどこにあるんだと言わんばかりの勇気を振り絞って、ヤマトさんにダメ元でコラボしてみませんか? とお願いしたところ、なんと承諾された!


感極まり、僕は学校から帰った後、無言で配信用の防音室に行き、全力で喜びを叫んだ。そして喉を痛めた。


そんな僕のどうでもいい話はおいといて、ついにヤマト君とのコラボが実現する日がやってきた……!


「2回目のコラボとはいえさすがに僕も緊張しますね……。でも、」『楽しんでやりましょうか』


おぉ……ヤマトさんだ……。


よ〜っし! 僕もヤマトさんとのコラボ、張り切って頑張りながらも、一生懸命楽しむぞ〜!




:おっ? ついに始まるのか?

:待機人数ヤバすぎww

:零様……

:ヤマト様……

:そうだった、2人ともガチ恋勢がいるんだった

:おっとそれは荒れる予感




「皆さん、こんれい! 皆さんに笑いと感動を届ける、神宮寺零です! 本日は、私の配信に来てくれてありがとうございます! そしてそして! 本日はご主人さまたちご存知の特別ゲスト!」

「ご主人様、お帰りなさいませ。あなたの神無月ヤマトです。本日も僕と零さまのコラボ配信に来て下さりありがとうございます」




:こんれい!

:こんれい!

:ただいま〜!

:ただいま!

:僕のヤマトだ!

:いやいや、私のヤマトよ!

:違います! みんなのヤマトです!

:みんな! ヤマトのために争わないで!

:おぉ……ヤマトの配信見たことなかったけど、リスナーがすごい……

:↑ニキ大丈夫、日常茶飯事

:コラボ先でもやり取りを繰り広げるリスナーの鏡




「私の配信内でいつも見ていたあの光景を見れるなんて……!」

「そこで感動しちゃうんですね……」




:ヤマトの配信見たこと無いから分からんけど、今回はみんなのヤマトじゃなくて、零くんのヤマトじゃね?

:あっ

:あっ

:ドンッ、ドンッ!(台パン)

:確かに……そう……なのか……?

:ヤマト様……嘘ですよね……?




「僕はご主人様たちの執事ですよ。なので零さま含めてみんなの執事です!」

「えっ……」




:そちらにショックを受けてる方がいらっしゃるのですが

:コラボ中だからって自分だけのヤマトと思った? ねぇねぇねぇ?

:残念! ヤマトはみんなのヤマトです!

:零くんリスナーは煽り能力が高いなw




「ま、まぁそれは一旦置いておきましょう……うぅ……」

「何故かコラボ相手が立ち直ってないので、僕が進めます! まず初めに、珍しいコンビだと思いますので、質問タイムからスタートです! ご主人様たち、じゃんじゃん書いてくださいね〜!」




:零くん、一旦も置いておけてませんよ

:よしきた質問タイム

:聞きたいことしか無い

:2人がコラボするきっかけは?

:あ〜、確かにめっちゃ気になるわ

:意外と成り行きで出会ってたり?




「それがなんと、私のリスナー様たちは驚くかと思いますが、私が『コラボしませんか?』って声をかけたんですよ!」

「最近零さまの話をよく聞いてて、面白そうだなぁと思ってたところにちょうど来たので、こうしてコラボが実現したんですよね」




:零くんが!?

:う、嘘でしょ!?

:どっかの配信で普段の自分は陰キャみたいだって言ってたのに……!?

:れ、零様……! よく、頑張られ、ましたね……!

:いやコメ欄崇拝者おるて

:コメントノリよくて好き

:VTuberが誘ったらヤマト様がコラボしてくれる……? ( ゜д゜)ハッ!

:いや普通の人には無理ですよ?!

:零くんみたいに個人での配信2回目で有名Vとコラボして、4回目で事務所所属したらいけるかもな

:つまり不可能、と




「いやいや、私という具体例がいるじゃないですか。頑張って目指してみてください。ご主人様が目指すのなら、私は応援しますよ」

「そうですよ。高校受験に失敗した僕でもVTuberになれたんですから。本気で目指すのなら、がんばってくださいね、ご主人様」




:ちょっとふざけただけで、2人にご主人様って指定して呼んでもらえる日が来るなんて!

:許さん

:ズルい

:いいなああぁぁぁ(圧)

:執事を取られた主人はこうなるのか

:普通はならんわ

:質問! 2人には関係ないかもだけど、カナママとましろママって接点あるの?

:あ〜、確かに気になるかも

:ましろさんは前までネッタークイーンとしてしか有名じゃなかったから、カナママはあんま知らなそう




「多分接点ないと思いますね〜。前にましろさんが『カナママにイラストの書き方教えてほしい……』ってつぶやいてましたし」

「僕もカナママからそんなこと聞いたことがないので、多分ないと思いますね」




:ましろさん、君も十分お上手ですからね

:カナママのイラスト綺麗すぎる

:零様を産んでくれたましろママに感謝

:ヤマト様を産んでくれたカナママに感謝

:感謝を忘れないガチ恋勢の鏡

:今回のコラボ内容は零くんが決めるって聞いたんだけど何するの?




「よくぞ聞いてくれました! 今回のコラボ内容、ズバリ──」




:アニカーか

:アニカーだね

:アニカーでしょ

:零くんの思考ほど読みやすいものはない

:読みやすいというより零くんが、コラボ内容かぁ→あ、アニカーしたくなってきた→そうだ! コラボでアニカーしよう! これしか考えてないからでしょ




「正直僕もわかりました」

「……えぇ、えぇえぇそうですとも! 別にいいでしょ! したかったんだもん……(泣)」

「零さま零さま、敬語が抜けてます」

「あ……コ、コホン! まぁやっぱりですね、執事たるもの、ゲーム能力はないといけないと考えたわけですよ。それならアニカーしかないかと」

「いや、なんでそうなるんですか……。ゲーム能力は執事に1番いらないでしょうに」




:いやいや、主人から「一緒にゲームしよ!」って言われるかもしれないだろ?

:そうだそうだ! その後に「しょうがないですねぇ……」って言わないといけないじゃないか!

:いや、執事なら「ちゃんと勉強もしてくださいよ」って言わないといけないでしょ

:主人「一緒にゲームしよ!」

零くん「しょうがないですねぇ……。3時間だけですよ?」

:主人「一緒にゲームしよ!」

ヤマト「ちゃんと勉強もしてくださいよ? 僕みたいにならないように……うぅ……」

:草

:どっちもだめじゃねぇかw

:変なところで気が合うご主人たちすき

:そういえば、ヤマトってアニカーしたことあるの?

:確かに




「僕は家族でするくらいですね。だからそんなにうまくありませんよー」

「まぁ、私もさすがに手加減はしますって」

「ただ、家族でするときはなぜか1位になることが多いような気がしますけど」

「……ほう?」




:いやそんな真面目なトーンで「ほう?」じゃないから

:零くん? 家族で1位が多いとオンラインでほぼ1位は意味合いが全然違うからね……?




「……まぁいいでしょう。少しは手加減します」

「零さま、なんか"少し"が追加されてますが……?」

「気にしない、気にしない! それではそろそろ始めま──」




:罰ゲームはもちろんあるよね?




「「……え、罰ゲーム(ですか)?」」




:確かに

:せっかくのコラボをただのアニカーってのは、ねぇ……

:名案かよ




「い、いやいや、罰ゲームなしで楽しむ! でもいいじゃないですか!」

「そ、そうですそうです! 今日は楽しむ気で来てるんで……」




:あれ、君ら執事だよね???

:ってことは、主人の言うことは聞かないといけないんじゃない?

:なるほど、主人に向かって言い返すか……なるほどなるほど




「……零さま、どうすれば今すぐ執事というジョブを捨てれますか?」

「奇遇ですね、ヤマト様。僕も同じことを考えました。教会にでも行ったらできますかね」




:おいw

:ジョブいうなw

:罰ゲームさ、零くんが負けたらヤマトが言ってほしいセリフを零くんにいつも以上のイケボで言わせるのは?

:零様の……イケボで……?

:今すぐ周囲の音を全てかき消してきます

:イヤホンなしで見てましたが、既にイヤホン装着済みです

:はえぇよw




「なるほど……零さまに僕が考えたセリフを読ませる、ですか……」

「ヤマト様?」

「零さま……罰ゲーム、ありでいきませんか?」

「ヤマト様!?」




:よし、ヤマトは落とせたな

:あとは零くん……

:んじゃ、ヤマトが負けたら零くんが言ってほしいセリフをお得意の声真似ってことか

:ってことは、ヤマトの声真似大量に聞けるってことじゃねぇか。最高かよ

:ヤマト様、罰ゲームありにしませんか?

:録音の準備できました

:音量最大にしました

:いやだからはえぇんだよw




「……ほほう? 僕が考えたセリフでいいんですね……?」

「零さま?」

「しょうがないですね、ヤマト様。そんなに罰ゲームがしたいならやってあげてもいいですよ」

「まぁ、僕は声真似をして言うのにそこまで抵抗はないので、別にいいんですけどね」

「何言ってるんですか。地声じゃないと罰ゲームにならないでしょう」

「……やっぱりですね、罰ゲームなしでゲームを楽しむっていうのがいいと思うんですよ。……え、本当に地声ですか」

「いやぁ……罰ゲームありでってヤマト様に言われちゃったからな〜。しょうがないから、罰ゲームありでもいいですよ? したくなかったけどな〜!」




:よし

:零くんウッキウキで草

:これには、零くんより多いであろうヤマトファンも大歓喜

:そう言われて今の同接数確認したら、19万近くいて草

:いや多いなw

:なんでこんなにいるんだ……

:昨日もコラボがあった影響かな?

:さ〜って、そろそろ参加型合戦の準備しないとな

:零くんの配信初めてだけど、入れる倍率ってどんくらい?

:まぁ、ソシャゲのガチャの数十〜数百倍と思ってくれれば

:ほぼ無理じゃねぇかw

:大丈夫ですよ、ヤマト様親衛隊の皆さん! 私たちが零様への愛があるように、ヤマト様への愛があれば入れます!

:なら私たちは余裕ですねっ!

:……狂信者のご主人って怖いんだなって

:やっぱ世の中イケメンイケボじゃねぇかっ……!

:一般のご主人には大ダメージの模様

:一般なのかご主人なのか、どっちなんだい!

:パワ〜!

:↑は? 何いってんの?

:急に冷めんなやw

:のってやれよw




「さて、罰ゲームの実施も決まりましたし、そろそろアニカー始めますか!」

「なんやかんやでもう30分近く経ってますしね」

「それじゃ、少し準備してきますので、少々お待ちを〜。どろんっ!」




:は〜い

:は〜い

:は〜い

:なんで口で効果音言うとこんなに可愛く感じるのだろうか

:需要しかない

:なるほど……! 口で効果音24時間耐久作ってくるのです!

:すごいね、こんなにも一瞬で需要をなくすなんて

:今回はアニカー重くならないといいけど





*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・





◯アニカー説明(マリカーとの違い)


・きのこ→とうがらし

・緑甲羅→おもちゃの車おもしゃ

・赤甲羅→ドローン

・キラー→トレイン

・スター→EXカーエクスカ

・ボム兵→爆弾


※独自のルールや設定が加わっている可能性がありますが、ご了承下さい。





*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..。o¢o。..:・*・:..




「画面切り替わりましたかね?」

「多分大丈夫そうです」




:ほら、外を零くんとヤマトが歩いてるぞ

:零様コスしてるが?

:ヤマト様コスしてるが?

:えぇ……(困惑)

:まさかの当事者

:全員ご主人の気をそらすの失敗してるじゃねぇかw

:今回はそんなに長くできないと予想するので、50〜100人くらいしか入れないだろうな

:宝くじの4等が4回当たる確率か……

:なんで4等の確率覚えてんだよ




「ご主人様に極度のたかカスがいますね……」

「宝くじガチ勢のご主人様をパチカスみたいに言わないでくださいね?」

「それじゃ、ID貼りますよ〜?」




:ここからは早打ちの戦い……

:まだ参加できてないから今日こそは……!

:アニカーに参加するために、寝る間も惜しんで練習した早打ち……。今こそ成果を出すときだ!

:それはさすがに寝ろよ

:テスト勉強しながら練習したから今日こそは……

:う〜ん、テスト勉強しろよって言いたいけど、普通にすごい

:確かにw

:親の顔より見た入力画面

:もっと親の顔見ろ定期




「貼りますよ〜? 3、2、1、「ばばん!」」




:ぐふっ

:ふ、二人によるくこ音、だと?

:いやマジで最初くこ音ってわからんかったけど、口で効果音の略か

:↑なんで分かるんだよw

:やべぇ、二人のくこ音で早打ち間に合わなかった……

:あ、くこ音はもうこの配信の必須ワードなんですね

:よっしゃあああああああ!!!! 入れたぞおおおおおおおおおお!!!

:くっ……またしても……

:許さん

:呪う

:いつの時代でもる過激派

:過激派と書いてガチ恋勢と読む

:ガチ恋勢に喧嘩売ったらとんでもないことなるぞ……




「おっ、サーバー持ちましたね」

「1度も言ってみたくないセリフナンバーワン、おめでとうございます」

「まったく褒められてない気がするのは、私だけでしょうか」

「気の所為ですよ。それより、早くアニカーしましょう!」

「……まぁいっか! 今のうちからヤマト様にどんなセリフ読ませるか考えないといけませんしね」

「まぁ僕もほどほどに頑張ります」




:確かに言ってみたくないw

:大丈夫大丈夫、褒めてる褒めてる

:こんなにも棒読み感が伝わってくるとは

:零くん、気が早い

:逆にヤマトが勝つビジョンが見えないのは俺だけだろうか




「それじゃ、時間もないですし、早速始めていきますよ〜!」

「なるべく負けたくないですね……! 地声でのセリフだけはちょっと……」

「私もセリフ読みだけは……」




:ふたりとも満身創痍で草

:ご主人としてはどっちも楽しみ♪




──────3。


────2。


──1。


GO!!!




「……スタートダッシュから格の違いを感じるのですか」

「気の所為ですよ」

「手を抜くとは……?」

「気の所為ですよ」

「いやあの、零さま見えなくなったのですが」

「気の所為ですよ」




:零くんどんんだけ読みたくないんだよw

:何も聞いてねぇだろw

:世界ランカーが一般人に容赦しない世界線

:悪く聞こえるかもだけど、やっぱヤマトくらいの実力が配信でいいな

:無双劇もいいけど、ヤマトの楽しんでる感好き




「……ッ!?」

「零さま? コメントに動揺してません?」

「……気の所為ですよ」

「やっぱり本気ですよね?」

「気の所為ですよ」

「みか様来てますよ?」

「えっ?」

「嘘です」

「ああああああああああ!!! コースアウトしたあああああああ!!!」




:お! ヤマトによる動揺作戦か!

:しかしこの程度では動じないと零くん!

:ここで再び本気かを尋ねる!

:だが零くんは冷静だああああ!!!

:お〜っと! ここでみーちゃんが来ているとの発言!

:しかし当然来ているわけもなく

:だが、これに零くんは動揺!

:コースアウトだあああああああああああああ!!!!!

:決まったああああ!! ヤマトによる心理戦の勝利だああああ!!!

:うん、なにこれ

:でもコメントのノリよくて好き




「ふ、ふふ! ヤマト様、や、やりますねっ!」

「すご。僕もこんなに刺さると思いませんでしたよ」

「だがしかし! この程度で僕が焦るわけがないでしょう! せ、セリフ読みだけは……!」

「めちゃくちゃ焦ってるみたいでなによりです」




:草

:一人芝居が上手なことで

和泉みか -Mika ch-:なるほどね……零くんには心理戦をすればいいんだね……

:まさかのフラグ回収

:ほんとにいるんかいwww

:執事2人〜! マジでみーちゃん来てるぞ〜!




「え、ほんとに来てたの!? あ! コースアウトしたああああああああああ!!!」

「え、どこですか? えーっと……。ってあれ、コースアウトしちゃいました?」




:おうおう、今回は零くんのタメ口が多いなw

:助かる

:ヤマトよ……そのセリフを言うときは無自覚最強の人しか使えないんだ……

:ヤマトはただ無自覚なだけで実力がついてきてないんだよなぁ

:すごいね、こんな真面目にやってて動揺して落ちるの面白い

:動揺するのは配信者としては完璧だけど、すぐ動揺するのは配信者としては✕だな

:結局どっちだよ

和泉みか -Mika ch-:ふっ! やっぱりね、有名人のオーラ? っていうのは? 隠せないっていうか???

:実力で煽れないからとここぞとばかりに煽ってくるなぁw

:実力でも勝ってから煽るように、どうぞ

:お前らがそんなことしてる間にもう復活してるぞ




「と、とりあえずはまだ僕がリードしてるんでね!」

「ただもう、こっちからも見えてますけど?」

「……」

「おっと配信者が一番してはいけない無言集中タイム入りましたねぇ」




:すげぇ、ヤマトの煽りが強い

:さすが零くん、罰ゲームがかかると配信は二の次だ

:これぞ廃信者の鏡

:だれがうまいこといえと

:それはガチ恋勢に殺されるやーつ

:あなたが使ってるアカウントすべて特定します

:もう手遅れだったか……

和泉みか -Mika ch-:なるほど……私も廃信者なんだ……

:おっと、心当たりがもう一人いたようで




「あれ、もう1周ですか!? 5位はちょっとやばいですね……」

「……」

「あ、1周しても廃信者は継続なんですね……。もう既に、場をもたせるのがきついんですけど」




:うっわ、なんやかんやでやっぱ零くんはえーなおい

:でも、ヤマトも家族とするレベルなのに、参加型で5位は悪くないんじゃない?

:零くーん、これ配信ですよー!

:コラボ配信で黙るやつとかいねーだろw

:そうこうしている内にもう2周目も終わりか……




「……いや、僕も1つ順位落としてしまいましたけど、零さま早すぎません? 2位とすらとんでもない差がついてるんですが……」

「……へっ!」

「おっと、絶対に執事が言ってはいけないような煽りが聞こえたんですけど?」

「さぁ、なんのことでしょう……」

「余裕がでてきたからって、急に煽りを入れてきましたね」

「さすがにもう負けないと思いますしね」

「どうすればいいんですか……」

「笑えばいいと思うよ」

「それ、どうにもならないときに言うセリフじゃないですか!」




:おうおう、零くん煽るなぁw

:これぞ執事(ひらめき)

:これぞ執事(初耳)

:笑えばいいと思うよはもうだめなやーつ

:でもほんとにそのくらいの差があるやーつ

:頑張って☆

:もう諦めてるじゃねーかw

:果たして結果は……!?






     ☆






「(✽ ゜д゜ ✽)」

「あれ、僕が1位ですか?」




:wwwwwwwwwww

:零くんが……負けた……?

:え、ヤマトのラストヤバくない?

:零くんが声には出してないけど、悲鳴上げてるのがよく分かる

:何だよあれww

:おもしゃの命中率が100%だった件

:切り抜き確定

:ロント(※ロングキラーのこと)もなぜできるw

:ニスクが百発百中だと?

:ヤバすぎwww

:零くん並の技術に加え、アイテム運も覚醒するとは……

:まぐれかもしれないけど、零くんの負けは負け

:せっりふっよみ〜♪ せっりふっよみ〜♪




「うぅ……なんで、なんで……! あんなに集中したのに……うぅ……」

「完全な偶然ではありますけど、まぁどうであれ僕の勝ちなので! さぁ〜ってと、どんなセリフ読ませましょうかね〜?」




:我ら一同、録音と尊死の準備は整っているのであります

:ヤマト様……どうか、どうか素晴らしいセリフを……!

:ふううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……

:やべぇ、ガチ恋勢のコメントが加速し始めた




「……ふぅ……逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……うぅ……」

「……決めました。こんなのでどうでしょう? 『お前ら、今日も俺の配信を見に来てくれて、ありがとな? こんなことでしか伝えれねーけど、お前ら、愛してる』」

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」




:ぐふぅ

:かっこi……

:すでに尊死

:イケボ死

:ヤマト様のセリフ読み上げの時点で神です……!

:怪獣かな?

:なんて素晴らしいセリフだ……

:これを零くんが読んでくれるんですって!?

:切り抜き不可避

:この配信もトレンド不可避

:1人称が俺なのも神

:コメントの加速度やべー




「さぁさぁどうぞ? そういう約束でしたよね?」

「う、うぅぅぅ………………ハイ、わかりました……」




:録音録音、っと

:どーきどきどきどきどきどきどきどき

:それはう◯ぴょい




「お、お前ら──」

「もっとイケボで」

「……お、『お前ら──』」

「もっと大きな声で!」

「お! 『お前ら、今日も俺の配信を見に来てくれて、ありがとな? こんなことでしか伝えれねーけど、お前ら、愛してる』……あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ふぅ……」




:ふぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

:尊死

:イケボ死

和泉みか -Mika ch-:ふぅ……

:あまりイケボを使うなよ。ガチ恋勢になるぞ

:最高に「いい!」ってやつだぁぁぁ!

:ヤバすぎる……

:これが2人に女性ファンが多い理由か……

:男だけど、イケボもいいなって思えた

:耐久制作するわ

:↑できたら教えて

:いや止めないんかい

:神すぎる……

:最後の怪獣は聞かなかったことにしよう

:ああああああああああ!!! なんで配信遡れないんだあああああああああああ!!!」




「……え、今のやつの耐久が自分のスマホに流れてきたら寝込む自信あるんですけど……?」

「僕はすぐに保存するのでできたら教えてください」

「やめてえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」




:まぁ需要があるようなものにしたヤマトを恨め

:俺等は遠慮なく耐久作るけど

:少しは遠慮してもろて




「では次行きますよー?」

「……そうですね。過ぎたことは一旦置いておきます」

「あ、零さま零さま。次のレース、ちょっと提案があるんですけど」

「まぁ勝者特権がありますので聞いてあげましょう」

「出現するアイテムを選べる設定があるとお聞きしたのですが」

「あぁ、アイテムスイッチのことですね」




:ミニパークでアイテム爆弾縛りをしてくれるんですね、わかります

:やばいやーつw

:あんなところでそれしたらマジで終わるわwww

:でもそれをするのが配信者であって

:ご主人命令でもあると

:ご主人命令便利だなおい

:俺はお前を信じている

:おっと唐突なナ◯ト




「ミニパークで爆弾縛り……いいですね!」

「なんという素晴らしい発想……!」




:おうおう、お二方ともに脳が配信者になっちゃってるねぇ

:これは面白そう!

和泉みか -Mika ch-:えっ! なにそれ面白そう!!! 私もまーぜーてー!

:文面から分かる可愛さ

:このコメントに対する最初の返信がそれかいw

:は? 神コラボじゃないか

:キレてないんかい

雨猫ハリン:私もしたい!

:ハリン!?

:びっくりした……まさかハリンちゃんも来るとは思わなかった……

:なかなかコメントにも現れないしね

和泉みか -Mika-ch-:え、なんか私が軽い女みたいになってない

:…………………………なってないよ?

:ためたねぇ

:ハリンもアニカーうまそうだな




「おっ、一緒したいそうですよ?」

「んー、僕は大型コラボのほうが面白そうですし、全然いいですよ?」

「それじゃ、二人共通話入ってきてくださーい」




ピロン♪ 雨猫ハリン さんが参加しました。

ピロン♪ みかだよー! さんが参加しました。




「それでは、挨拶をお願いしても?」

「んっ! それじゃ、私から失礼して! みんな〜! こんみか〜! ミックスライブ所属の和泉みかがお邪魔させてもらうよ〜!」

「うん、みか様はいつも通り元気いっぱいですね」

「はうっ! ヤマト様の『みか様』呼び、ありがとうございます!」

「……ん? ヤマト”様”?」

「次は私だね! みんな〜、コンハリン! 今日は私もお邪魔させてもらうぞ〜!雨猫ハリンでーす!」

「おぉ、ハリン様もテンション高いですね」

「そりゃ、こんな一大イベントに参加できたからな!」

「喜んでいただけたみたいでなによりです」




:お〜、めちゃ大型コラボになってきたな

:一応企業2人と個人2人なんだけどな……

:まぁ、ヤマトとハリンは個人っぽくないところもあるし

:正真正銘、個人なんですが

:やべぇ! こんな豪華VTuberたちがいるのに参加できたら最高すぎるだろ!!!

:はっ! そうか、これは参加型……この4人と一緒にできる……!?

:これだけは参加したい……俺以外全員、頼むから一瞬時止まってくれ




「おっと? ご主人様たちが騒がしくなってきましたね?」

「確かにすごいメンバーになったね……」

「私がリスナー側だったら絶対同じこと思います」

「このメンバーに入れてる私、幸福すぎ」




:ハリン! そこ代われ!

:早打ち……今度こそは……!




「はっ! 絶対ここは譲らない!」

「それでは、ID貼りますね〜」

「この設定なら私でも勝てる……のでは?!」

「みか様、一緒に頑張りましょうね」

「貼りまーす! 3、2、1、「「「どどん!」」」」




:なっ!? またくこ音……だと!?

:4人一緒に……だ……と……?

:ああああああああああ!!! 早打ち集中できねーよ!!!!

:そうすると思って音量0にしてた俺の勝ち

:対策までしてるのか……

:入れたのか?! ずりー!

:は? だから入れたとは誰も言ってないが?(泣)

:あ……

:いや、そんだけガチっても入れないのかよw




「……それはヤバいかもですね」

「え、なんでだ?」

「倍率が高かっただけの問題じゃないんですか?」

「ちょっと……サーバーが……ね……」

「零くんだけの悩み過ぎるよっ!!!」

「ま、まぁ多分大丈夫でしょう! 早速やりますか!」




:どうせならさ、チーム戦でしたら?




「「「「チーム戦?」」」」




:あー俺他の人の動画で見たことあるかも

:あれか、味方チームの爆弾なら食らわないから、どっちチームの主将が先にゴールするか、ってやつか

:そうそう。それで、味方チームのリスナーが相手チームの主将に爆弾を投げまくるってやつ

:絶対おもろいじゃねーか

:今回はどっちチームが先に主将2人がゴールするかってことね

:面白そう!

:やってみて!




「と言ってますけど、皆さんどうします?」

「私は全然オッケーだぞ」

「むしろそっちのほうが面白そう!」

「いいですね、僕もやってみたいです!」

「ではその設定に変えてきまーす! チームは執事チームとゲストチームで、ご主人様たちはランダムに振り分けておきますね」




──────3。


────2.


──1.


GO!!!




「え、あの2人スタートダッシュはやっ!?」

「って、零さまとハリンさんじゃないですか!」

「おっと、もしかしてハリン様も同じ考えですか?」

「ということは零もか。リスナーが邪魔してくるなら邪魔されないくらいに距離を開くだけだもんな」




:こいつらw

:注、この2人は配信のことは考えていません

:注、残り2人はあくまで本気でこれです。

:悲しいテロップ貼ってやるなよ

:え、でもさ、リスナーの順位は関係ないんだろ? なら爆弾だけとって待ち伏せしていればいいんじゃね?

:あっ

:あっ

:ご愁傷様です




「「……え?」」

「みか様みか様、大丈夫っぽいですね」

「だねっ!」




:でも、その待ち伏せはみーちゃんとヤマトにも刺さるわけであって




「「あっ……」」

「ハリン様ハリン様、素晴らしくいい勝負になりそうですね(泣)」

「これ勝負つかないだろ!」






     ☆






「「や、やっと終わった……」」




:永遠に爆破されること10分

:草

:マジで進まねーw

:みーちゃんとヤマトはまだ3周目にすら入ってませんが……

:もうチーム関係ないほどボロボロじゃねーかw






     ☆






「「や、やっと終わったあああぁぁ!!!」」




:遅すぎwww

:零くんたちゴール後5分

:計15分さまよってたのきつすぎるだろw

:結局どっちの勝ちなんだ……?




「えーっと……私が1位でハリン様が2位、みか様が3位でヤマト様が4位なので、同率、ですかね?」

「15分待って同率かよっ!!!」

「え、その場合どうなるの……?」

「流石にもう一回、なんてことは……」




:おっヤマト名案だな

:フラグ建てられたからには、ちゃんと回収までしないとだしな

:もう一回遊べるドン!




「「「「ああああああああああ!!!」」」」






この後2回しても勝負がつかず、今回は引き分けってことで幕を閉じた。


最後のはなかなかの苦行だったけど、まぁ結果的には──。




さいっこうのコラボ、だったかなっ!










《あとがき》


かなりイレギュラーでしたが、どうだったでしょうか?


@asasinn0125 さん。今回はコラボありがとうございました!


次回から本編に戻ります。



☆400ありがとうございます!

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