第34話.天使が家に……?

「ここで連絡先交換したら確実に目立ちますので、また放課後に屋上で。どうせですし、祐希くんも呼んでおきますね」

「あ、ありがとね、気を使ってくれて」

「いえいえ」


 そう言って少し微笑み、「では」と僕に告げると隣の教室に帰っていった。


 僕は周りの銃弾視線に耐えながら、早乙女くんのところに向かった。


「さっきはありがと、助けてくれて……」

「いいっていいって。僕達の長い付き合いじゃないか。凪はああいうことが苦手だと思ってね」

「ほんとに助かったよ……」


 やっぱり持つべきものは友だよね。数は少ないけど。






     ☆






 今日の授業が終わり、夜型の僕からしたら目がさめてくる時間帯になった。この時期は、この時間でも明るいなぁ。


 そんなことを考えながら屋上へ向かっていると、扉の前でみのと祐希が階段に座っていた。


「あれ? 2人ともどうしたの?」

「おっ、来たか。なんか今日は屋上に入れないらしいぜ」


 祐希が「ほら」と言って、僕に扉のある張り紙を見せた。どうやら、清掃が入るみたいだね。


「今日は凪くんと連絡先の交換して、どうせ集まったことですしなにかお話でもしようかと思いましたけど……」

「う〜ん、どうしよっか……」

「誰かの家とかはどうだ? ま、俺は一人暮らしとかしてないから無理だけど」

「私も親がいるのでだめですね」


 すると、2人は自然な動作で僕に視線を向ける。


 ……え?


「え、うち?」

「うん」

「はい」

「えぇ〜……」


 無理なことはないけど……というか、祐希だけなら一切悩まずに入てたけど、今日はみのもいるしなぁ……。


 部屋はよく掃除するからいいんだけど、問題は零関連の機材。


 まぁ、みのだからさすがに人の部屋を勝手に漁ったりしないか。祐希じゃあるまいし。


「少しだけだよ?」

「おっ、マジで? 正直だめって言うかと思ってたわ」

「ありがとうござます! では、1度家に帰ってから行きますね」

「俺はこのまま行くわ」

「おっけ〜!」


 ということで、天使が僕の家に来るそうです。


 その後、途中でみのと別れて、祐希と一緒に僕の家に向かっていた。


「そういえばお前、あの配信のあとの登録者数って確認したか?」

「あ、見るの忘れてたなぁ」

「……絶対驚くぞ」

「え?」


 そんな事言われたら、今すぐ確かめたくなっちゃうじゃん! ポチッと。


「さ、35万人……?」

「ちなみに、俺はその数字見たときにそうらん超えたくね?と思ってそうらんのも確認したら、あの人40万人超えてたぞ」

「ひえぇ……」


 僕でもこれがやばいってことはわかるよ……。


「あ、そうそう。みのがうちに来るけどさ、VTuber系のものってどうしよう?」

「……この会話から「あ、そうそう」って切り替えられるの、凪くらいだぞ。ドアに鍵あるならかぎかけるだけでいいんじゃないか? さすがに、その中までは見ようとしないだろ」

「ん、じゃあそれでいっか」

「女子に部屋見られるんだから、少しは整理しておけよ?」

「それはよくしてるから大丈夫!」

「そういえば、お前は昔からよくやってたな」


 そんなこんなで家についたけど、みんなが家に来るまで特にすることもないし、今日の晩ごはんでも作っておくか〜!











《あとがき》


カクヨム様で20000PV&星100&フォロー300ありがとうございます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る