第35話.結局それにたどり着く

 ──ピーンポーン。


「おっ、来たっぽいな」

「……今更だけど、もう少し掃除しておいたほうが良かったかな」

「この状態からさらにどこを掃除すると申す?」


 僕は、小走りしながら玄関に向かった。そしてドアを開けると、某アニメのように「ドーム公演おめでとう」と言われて、ナイフで刺される──なんてことはこれっぽっちもなくて。


「来ましたよ」

「ん、それじゃあ中へどうぞ〜」


 万が一にでもこの状況を誰かに見られたら、僕の人生が詰んでしまうので、とりあえず家に入れなきゃね。


「あら、家の中すごいきれいですね……。もしかして、さっき片付けました?」


 短い廊下を歩いているときに、みのがそう聞いてくる。


「いや、昨日したばっかりだったから、今日はしてないね」

「へぇ、掃除お好きなんです?」

「というより、家事全般がお好きなだけなんだよね」

「……ふ〜ん」


 ? どうしたのかな? え、なんか変なこと言っちゃった……?


「みの、ようこそ〜!」

「祐希の部屋じゃないからね?」

「とりあえず、凪くんと連絡先交換しますけど、その後何します?」

「いやまぁ、知ってた。なにかお話でもって言ってたけど、何も話すことが無いことくらい知ってた」


 え、じゃあほんとに集まった意味なくない?

 とか言っても、今の時刻は5時頃。帰るには少しだけ早い時間。


「ならあれ、みんなでしてみたいです……」


 そう言って指を指した先にあるのは──アニカーだった。


 えぇ〜……。


「……先に言っておく。俺らはアニカーうまいぞ」

「えっとねぇ、世界ランキングのるレベルじゃないと、きついと思う」

「え、そんなに!?」


 そりゃあ、1人はきゅいあさんだからね。超一流の人でもほとんど勝てないから。


 って、そうじゃなくて。アニカーは身バレの可能性高くない……?


「ちょっとだけでもいいからしません?」

「……ちょっとだけだぞ?」

「あ、ありがとっ!」

 

 ため口ありがとうござます! じゃなくて、祐希よ……もちょっと抵抗してくれよ……。


「? どうしました?」

「いや、なんでも?」

「すいません、その前にお手洗い借りてもいいですか?」

「あ、は〜い。そこのドアの場所だよ〜」


 ──バタン。


「さて、凪よ」

「うん、わかってる……」


「身バレの可能性があるのは徹底的に避けよう!」by 凪&祐希


(配信とは反対のことをしよう!)by みの










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