第11話 二人の過去と経緯2

「…天皇ってあの…天皇?」


「うん…遠い感じなんだけど、そうなの」


「だから母親のほうが色々大変で…笑」


「…そうなんね!!」

「そっちのほうもめっちゃびっくりだよ笑」


「ゆうまが話してくれたから、私もって思ったの」

「こんなことも人に話したことないや笑」


「あははっ!」


「僕のもだけど、気楽に話せるような内容でもないしね笑」


「そーなの笑」

「でも、なんだろうほんとゆうまにはなんでも話せちゃうの(照)」


「それはめっちゃ嬉しいよ」

「言ってくれてありがとうね」


お母さんの話、ご実家の話、生活の話。

はるかが身につけている洋服やお習い事。

僕の親のことをお父様やお母様と呼んでいたりする言葉の使い方や話し方。


ゆうまはこれまであまり聞いたことがなかったから、少し不思議に思っていたそれらが色々繋がった気がした。


「なんかビックリ同士な僕らだね」


「だね笑」


真逆の家庭環境で育ってきた2人。

だからこそ、境遇と言うか価値観と言うか、一般的でない感覚が2人にそれぞれあったから仲良くなる必然性があったのかもしれない。


「…ホントにゆうまと居ると安心できるし心地良いの」

「こんな話も出来ちゃうし、なんか初めて素になれる私がいるの」


「うふふ、なんだよいきなり」


「あのね…私ゆうまの事好きだよ」


「えっ」


「えへへ///…大好き」


学校とかでは気丈に振る舞っているはるかではない、すごい無邪気でいつもより可愛いはるかが居る。


少し照れながらもまっすぐ僕の事をまっすぐ見てくるはるかに。


ポンポンっ


「僕も好きだよ」

「好きだから付き合いたいって言ったんだから///」

そっと頭を撫でながら思いのままの気持ちを伝えた。


「えへへ///」

すごい照れながらもはるかから頭を少し突き出した。


「だからね、ゆうまには嘘を付かずになんでも話をするから聞いてくれると嬉しいなぁ」


「もちろんだよ」

「なんでもいいから、僕に話していいからね」


「ありがとうね」

「ゆうま好きぃー」


ここからはるかは些細なことでも受け止めてくれるゆうまに話をするようになった。

が、それらが後々になって崩れるキッカケになるとは…


しかし、この時ゆうまは、はるかの全て受け入れることにためらいはない。

それよりも…


本来は気にする必要はないのかもしれない。

それにまだ付き合い始めでこれからどうなるかわからない。


それでも。

例えばこの先、結婚することになったとする。

その前には必然的に両親の顔合わせは発生するはず。



ゆうまの親が、元ヤクザやホステス経験。

はるかの親が、会社役員に天皇家の血筋。


これは…どうなるんだろう。。と

ゆうまの頭に少しだけ駆け巡った。



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