一緒の部屋に住むお姉さんがエッチすぎる件

みょん

久しぶりでもいつも通りなお姉さん

 一日の目覚め、それはその日のモチベーションを決める大事な瞬間だ。


「……ふわぁ」


 軽めの欠伸が出たかと思えば、その直後に鼻孔をくすぐる甘い香り……チラッと隣を見ればそこには大切な恋人が俺の腕を抱くようにして眠っている。


「っ……たか……くぅん……♪」

「……ったく、今日もめっちゃ可愛いな」


 腕を抱かれているため、三桁越えの巨乳がしっかりと押し当てられている。

 その大きな胸に意識が向くのはもちろんだけど、それと同じくらいにそのあまりに整った顔立ちに俺はいつだって視線を奪われてしまう。


「……可愛いし綺麗だなぁ……何回目だろうこんな風に言うのって」


 いつもだろと俺は自分自身にツッコミを入れた。

 俺の腕を抱く彼女――高宮真白さんは俺より年上の女性で二十三歳……十八歳の俺よりも五歳も上だ。

 日本人の父とロシア人の母を持つハーフの真白さん。綺麗な金髪などがその特徴として分かりやすく、純日本人の俺とは細かい部分での違いがよく分かる。


「……色々あったけど……本当に俺たちは付き合ってるんだよな」


 数カ月前、俺と真白さんは同じマンションに住む隣人というだけの関係だった。

 でも俺たちはかつて会ったことがあるという過去があり、真白さんはその時からずっと俺のことを想ってくれていた……そうして気持ちを交わし合い、俺たちは恋人という関係になったんだ。


「っ……トイレ行くか」


 真白さんを起こさないようにゆっくりとベッドから出てトイレに向かう。

 基本的に何をする時でも真白さんと一緒なため、極端に言えば真白さんと離れるのはトイレくらいなものだけど、その束縛の強さも真白さんだからこその心地良さを俺は感じている。

 まあ極端なまでに束縛をされているわけではなく、時には一人の時間が大事だとして真白さんは寂しそうにしながらも離れてはくれるんだが。


「ふぅ……」


 トイレを済ませた後、部屋に戻るとまだ真白さんは眠っていた。

 ただ抱きしめていた俺の代わりに枕を抱きしめており、俺の匂いが染み付いた枕に顔を押し付けるようにして、真白さんは幸せそうな寝顔を浮かべている。


「……これは起こせないし戻れないなぁ」


 そう苦笑し、俺はスマホを手にリビングへと向かった。

 もう少ししたら朝食の準備をしようかなと考えつつ、俺はスマホを手にあることをする――それはエゴサだ。


「何々……」


・昨日の配信もマシロ可愛かったわ

・最近見始めたけどヤバいね彼女

・でも彼氏いるんだろ?

・それな!

・たか君ももうちょい露出して!

・あそこまで受け入れられてるのも珍しいよな


 配信、そして真白ではなくマシロという名前……これは別の人物を指すものではなくどちらも真白さんのことを言っている。

 真白さんの職業は最近になって一つの仕事と認知されるようになった配信者で、登録者ももう少しで百万人に到達しそうなほどだ――数字を持つ配信者になるまでは茨の道であっても、大きな数字を持てばそれだけ人気者になるし稼ぐことも出来る……真白さんが二十三歳という若さでこんな立派なマンションに住めているのも配信者として成功したのが大きい。


「……配信だけじゃなくて際どい写真とかも上げてるし、それもまた人気の秘訣だもんな」


 真白さんは自分の体が優れていることを知っており、男好きするものであることを理解している。

 だからこそ人気に繋がる意味も込めて真白さんは際どい姿の写真……主にその魅惑的な胸元の写真をTwitterにアップしたりしてそれも彼女の人気に繋がっていた。


「俺もついつい見ちゃうもんなぁ……」


 Twitterでエッチなコスプレとかよく流れて来るけど、それをついつい見てしまうのと同じ感覚だ。

 ただ最近は真白さんが写真を投稿する頻度は圧倒的に減り、そのことを嘆くファンも居るがその程度で落ちるような人気ではもはやない――真白さんはお喋りも達者でゲームも上手なため、その点だけでもたくさんの魅力が備わっている。


「俺……上手くやれるかな」


 真白さんと付き合っていく……それは彼女をずっと支えていくことだ。

 個人勢である真白さんのマネージャーのような立場でもあるのだが、真白さんの影響で俺は顔を出さず配信に入り込むことも多々あるため、不本意だけどそこそこ有名になってしまった。

 それで他の配信者やVtuberの知り合いも出来たりして、本当に真白さんという一人の存在が俺の日常を変えてしまった。


「いや、今更ビビるなよ隆久――俺は真白さんが大好きなんだ……支えていくって決めただろうが」


 パシッと両頬を叩き、俺は気合を入れた。

 これから先、もっともっとたくさんの出来事があるだろうし、大変なことも多くあるはずだ……それでも真白さんと一緒なら大丈夫、そう思うと俺はどんなことでも乗り越えられる気がしたのだった。


「……?」


 そんな風に一人で気合を入れていると、足音が響いて誰かがリビングへと近付く。

 このマンションの一室に住んでいるのは俺と真白さんなので、必然的にその足音は彼女の物になるわけだが……やっぱり、現れたのは真白さんだった。


「たか君! どうして起きたら傍に居ないのよ!」

「えっとそれは――」

「たか君のばかああああああっ!!」

「わぷっ!?」


 あまりにもエッチなキャミソール……当然のようにスケスケであり、寝る時に下着を付けないためぶるんぶるんとその大きな二つの膨らみは揺れている。

 真白さんに飛び付かれたことでその胸元に顔が埋まり、決して離さないと言わんばかりに真白さんがギュッと抱きしめた。


「勝手に居なくなった罰だからね? お姉さん、本当にビックリしたんだから!」

「むがっ!? むむむっ!!」

「あん♪ ふふっ、朝から積極的ねたか君! もしかしてお姉さんに気持ち良くしてもらいたいのかしら?」


 違う! 息が出来ないんですよ息が!!

 真白さんのふわふわましゅまろおっぱいの中で呼吸困難になりつつも、こんなことで慌てていてはこの先生きていけないことを分かっている。


(……少し前までは隣の部屋に住むお姉さんがエッチだなんて思い続けていたけど、今は一緒に住むお姉さんがエッチな件って感じだわ……でも、頑張るぞ俺は!)


 真白さんとの日々はあまりにも楽しいが、同時にエッチでもあるそんな日々……俺は真白さんの胸の中で、これからも頑張るぞと強く誓うのだった。

 そして、こんな風に真白さんとのスキンシップがあるのもいつも通り。

 それが俺――工藤隆久の甘くも刺激的な日常の一幕だ。




【あとがき】


こちらの作品としてはお久しぶりです。

前に書いていて完結した作品の【隣の部屋に住むお姉さんがエッチすぎる件】の続編みたいなものです。


物語の中で一緒に住むようになったため、それでタイトル詐欺になるということでタイトル新たにこうして書きました。


元々宣言していたことではあったのですが、この作品はあくまで好きに書きたくて書くものです。

更新も不定期だとは思いますし、どちらかと言えば自分の作品を知ってくださっている方向けみたいな部分があります。


前作も知っていて、待っていたよって方々により一層楽しんでもらえれば幸いだと思います。

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