【一軍俺様の落ちて、上がって、落ちてetc.】クラスの一軍だったけど無職と、ハズレスキルで転落しました。
どっちつかず
第一部 転移と転落
は? やめろ! どうして俺様をそんな目で見てくる? お前ら今まで俺様の側で甘い汁を吸ってやがっただろ? クラスの他の連中も、俺様の到底敵わないザコの分際だったくせに、今じゃ全員笑ってやがる。
俺様はいつも頂点だった。何をしてもトップだったし、優れた容姿で女にも不便しなかった。それが、こんな馬鹿げた出来事で、覆る筈がない。
俺様は、オレヮァ゛〜~~〜〜!!!!!
プライドが邪魔して、声に出せない無言の慟哭。俺様の中で言い表せない程の、感情が巨大な渦になっていった。
・・・
異世界転移、クラスの隅でオタク共が話していたな。色々なパターンがあるみたいだが、俺様達はクラスごと転移したらしい。
目の前には、偉そうなオッサン共と1人
イイ女がいるな。
(胸はないが顔、スタイルは学校の女共と
比べもにならないぐらい綺麗だ)
クラスの連中は混乱してる奴、怒鳴っている奴、一部興奮しているオタク共がいるが、
相変わらずバカばかりだ。
「ねぇミッチ〜、私怖いよぅ」
甘ったれた声でセフレが、話し掛けてきた。
「オイ! ミッチー何だよこれ!どうすりゃいい」俺様の友達。いや取り巻きも頼って
来たようだ。
仕方ない、そろそろいつも通りリーダーを
してやるか。
外面用の笑顔を浮かべて、俺様はイイ女に話しかけた。
「すみません。私達は〇〇学校の2年3組
です。皆も混乱していますし、説明をして
頂けませんか?」
「ありがとうございます! 突然の事で皆様驚かれている事でしょう・・・」
女が言うには、やはり俺様達クラスは勇者召喚をされたようだ。
魔王は封印されたが、まだ人類が住める地域が少なく、魔物や魔人の被害もあるらしい。更に魔人と手を組む国もあるとかないとか。
この現状を打破すべく、王国は勇者召喚を行ったそうだ。
まぁテンプレだな。
暇つぶしに読んでた、漫画の知識で俺様はすぐに現状を理解した。
説明を聞いてもまだ騒いでいるバカがいるが、そんな連中今はどうでも良い。
重要なのは【職業】と【スキル】だ!
この世界ではそれで、力・魔力等の能力が
全て決まるらしい。
転移時に俺様達にも付与されている力!
物心ついた頃から、学業も運動も抜群の
センスを誇り! 皆から慕われ、顔も中性的なイケメン! 俺様は、必ず勇者だろう。
お! どうやら鑑定が始まるみたいだな。
・・・
「はぁ?!」
「あの、ですから貴方様に職業がないのです当然、職業による補正もないため、能力値も変化がないでしょう。人類の歴史が始まっておそらく初めての事です、それに・・・」
抑えろ俺! 馬鹿みたいに動揺するな!
「そうだ! スキルは、どうなんだよ!」
職業はなくても、きっと俺ならば最強の
スキルが、
「【固定ロック】と出ております、小石程度を動かなくするスキルと。正直こちらも我々は聞いたことも文献で見たことも御座いません。」
俺様への空気が、目が全てが少し変わった気がした。
その日から、俺様は落ちる。落ちる。
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