喋るドラゴン
佐瀬綾
第1話
大学生となり、自立しようとし一人暮らしを始めて1ヶ月。叔母から仕送りとしてひとつのダンボールが届いた。
中身は農作ドラゴン。そして1枚の手紙。内容はと言うと…
「大学生活どうかしら?うちで採れたドラゴンの実と、ドラゴンチョコレートも入れておくから届いたらすぐさま冷蔵庫に入れてね。じゃないと大暴れしちゃうから!」
いやいや、、ドラゴンの実も嬉しいしドラチョコも美味しいからいいけど冷蔵庫入れないと大暴れなの怖いなぁ…まぁそれがどらチョコの醍醐味まであるからなんとも言えない。
そんな事を考えながらもらったドラゴンたちを冷蔵庫に入れていく。
カサッ……カサカサッ
「…ん?なんだ??」
カサカサとダンボールの方から聞こえて、恐る恐る覗き込んでみると、小さなドラゴンが居た
「え?!」
『たべないでぇ…』
「いや…とりあえず動かないで」
叔母に連絡しないいけないと思いすぐさま携帯で電話番号を打ち込み電話をかける
「叔母ちゃん!たた、、大変だよ!」
📱<どうしたの?そんなえらい焦って
「ドドドドラゴンがね?いや、まず仕送りありがとうなんだけど、、、」
📱<おやおや、届いたかい?
「うん。届いたんだけど、得体の知れない喋るドラゴンが迷い込んでるの」
📱<おや?そりゃ大変やなぁ。普通の食用ドラゴンよりも一回りくらい大きいやつかい?
「うん。そうだよ黄色いヤツ。今逃げないように握って抑え込んでるけどこいつ何。食べれんの?」
📱<その子ね、うちの家系に代々受け継がれてるこの世に一匹しかいない喋るドラゴンなんだよ〜まさか
「え?ちょっと意味が…」
📱<そうねぇ…1から説明しましょうかね〜
「あ、それよりちょっと待って。ドラゴンチョコレート入れてからにさせて。床がチョコだらけになっても困るから」
📱<あいよ〜
その後、叔母の話を聞いたところによると
はるか昔、西暦もない時代からドラゴンを主食としてきた私たちだったのだが、一匹だけ一回り大きな声を発するドラゴンが現れうち(宮林)の先祖に
ドラゴンは基本、数億年も生きる長寿な生き物でありそう簡単に死にはしない。しかし先祖たちは神からの捧げものだと信じ叔母の代まで引き継がれていた。次は母に継がせる予定だったらしいのだがこのドラゴンが勝手にダンボールの中に入ってしまったのだろうと叔母は笑って話していた。
そしてどうやらこのドラゴンは男性に姿を見られたら死んでしまうとか何とか。確かに考えてみると親戚に男性を見た事がなかった。
「でも叔母ちゃん、私今お付き合いしている男性がいるんだけど…」
📱<ドラゴンが見られたって認識と男性が見たって言う認識がなければ死にはしないから大丈夫よ〜
なんて緩いんだ。一応1つの命ですけど?と心の中でツッコミを入れて一旦電話を切った。
「…この先どーしよ」
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