同級生のパーティを初心者用ダンジョンのクリア後の部屋に置いていかれた錬金術師兼回復術師の俺、自称史上最強の吸血鬼の魔王の少女を拾う。
haryu
第一章
第一節 始動
第1話 プロローグ~運命の出会い~
「あ、お前見たいみたいな陰キャはこのパーティにいらねぇから置いてくな。」
そう、このパーティのリーダー霧島隼吾がそう言った、そして、俺以外は転移門から出ていきそして、転移門が閉められた。俺は、あぁ置いてかれたんだなとだけ思ったそれ以外は何も思わなかった、どうせ俺みたいなやつがコロコロいるだろうと思ったのだろう。
いやぁいい気味だ自慢じゃないが俺みたいな錬金術師兼回復術師みたいなことをやれるやつはそういないんだ俺が知っている限りだと探索者としてのいろはなどを叩きこんでくれた師匠と姉弟子くらいか、それにどっちもエリート、上級ギルドの人たちだからね、まぁ簡単に言えば一流探索者くらいにならないと俺みたいなやつはいないんだ。
と言っても俺も実は初心者ではない、いや正確にはきちんと手続きをして初心者を装っているただの上級探索者だ、因みにそうなっているときはいろいろと制約が掛かるけどな、情報をストップするのには一番いいんだからな、と師匠が言っていたからその通りにやっていた勿論奴らのパーティに入るまでは一人で潜っていたが。
まぁ、今はそんなことはどうでもいい、流石に転移門のないところから出るというのも無理がある。
バサバサッ、と羽音が聞こえる?いやいやそんなことがあってたまるか、だってここにはモンスターは湧かない筈だからな。
だが、おかしいな羽音もするし何かの気配もある、蝙蝠かもしくはあれか、不死系統にのヴァンパイアか、吸血鬼とかいう種族は未確認なはずだしな、ダンジョン内にあった文献には吸血鬼の魔王というやつがいてあまりにも広大な力を手に入れたせいで神に封印されたと書かれていたとか聞いたことがある、流石にそれはないだろうがな。
「なんじゃ、そこに誰かおるのか。」
そんなことを考えていたら背後から少女の声が聞こえた、それと同時に力の一端が感じられた、それに驚き俺は背後を見る、子供?いや、大体中学生くらいかと思っていたのだが。
危ない、なんだよあの吸い込まれそうなまっすぐな黒髪と深紅の瞳は、危険すぎる。
それは別として相手が誰かいるのかと聞いてきているから答えないとな。
「えぇ、いますよ。というか仲間において行かれました。」
「そうか、それは災難じゃったの、童ならここの外まで出せると思うのじゃが一つ頼みがあるのじゃ。童をここに縛り付けるこの忌々しき封印を解いてくれなのじゃ。」
封印?まさか本当に謎の文献の封印された吸血鬼の魔王じゃないよね?
「いいけど、二つ教えて、それは簡単に解除できるものなの?それと、貴女は吸血鬼の魔王?」
「ん?この封印は強力だが封印されたものは絶対に出れなくする代わりに状態異常という扱いになっているのじゃ、だから他人からの状態異常回復で解除できるのじゃ。あの神が変なところでケチったからなんじゃがな。あともう一つの質問はそうじゃとしか言えないのじゃ。これで童の封印を解いてくれるのじゃ?」
マジかよ、あ、でも大丈夫か、探索者カードの偽装を解除すればいろいろなことへの融通が利くようになるから個人情報を一つ増やすのを頼むくらいはできるかな。それと、口約束でも言ってしまったから封印を解くしかないけどな。
「分かったよ。【キュア】」
回復魔法【キュア】効果は状態異常をすべて回復する。因みに、中級魔法である。を使うと彼女の体が一瞬だけ光った。
「ふぅ、ようやく抜けられたのじゃ。さて少年よ童が完璧に記憶したここの転移門の接続先の座標に飛ぶのじゃ。もちろん童と一緒になのじゃ。」
「あの、俺に少年じゃなくて、
「そうかレンというのじゃな。じゃあ、ついでに童の名前も教えておくことにするのじゃ、童の名はエリュン・クリムゾン=ルーメイルなのじゃ。いや、今は国がないのじゃから、レンよエリュンだけ残して何か名前を考えてくれなのじゃ。」
そうか、いやいや、なんで名前なのさ、エリュンかエリュン=ルンネル略してエルで良いんじゃないかな。
「エリュン=ルンネルというのはどうだ?略してエルでさ。」
「おお、それがいいのじゃ。じゃあさっそく出るのじゃ。【指定座標転移】」
彼女がそう唱えた瞬間俺の視界は光に覆われた、この光は転移門とか転移トラップの時とかに見る光に似ていた気がした。
そして光が収まるとダンジョンの出口に立っていた。
「あ、そうだ、エル俺から離れるなよ。」
「わ、分かったのじゃ。」
「そうかじゃあついてこい。」
そう言って、俺は歩き出した目指す場所は上級探索者用カウンターだ、偽装を解除してもらうためだからな、素材とかはあいつらに持っていかれたからな。
「何か用ですか。ここは上級探索者用カウンターですが初心者用カウンターや初級者カウンターはあちらですよ。」
どうやら受付のお姉さんには疑われているみたいだ、だが。
「いえ、此処でしかできないことをするんで。探索者カードの偽装の解除をお願いします。」
「そうですか、偽装解除ですか分かりました。」
そう言って、お姉さんは怪しがりながら偽装解除などができる機器に俺の探索者カードを入れた瞬間に表情が変わりそして、驚愕したかのように俺に首位と叫んできた。
「あと、ついでにこの子についての情報の操作をお願いします。」
「はぁ、分かりました。ちなみに誰なんですかこの子。」
「吸血鬼の魔王らしいですよ、ほら前にやってたじゃないですか、神々に封印された吸血鬼の魔王とかいうやつ。」
「へぇ、吸血鬼の魔王ですか。はい、分かりました。情報の操作終わりましたよ、それに上に話は通しておくんで。今後ともよろしくお願いしますね、上級探索者首位暗崎瑓さん。」
さて、情報操作でエルのあれこれができたから、エルを連れて家に帰るか。
「エル、俺の家に帰るぞ。」
「分かったのじゃ。」
そうして、俺達は帰路に着いた、俺は帰ったら姉弟子と師匠にどう言おうかと考えながら。
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