前代未問
マシュマローリング
第1話
■○●-▽
「どうやらおれは、かなり珍しい人を殺してしまったようだ」
△▼-🎼
俺の名前は山田太郎。この名前に俺はまったくと言っていいほど愛着がない。きっと名付けた親も俺には期待をしていなかったんだろう。実際、その期待しない期待は当たっている。今まで二十数年生きてきたはずだが、これといって何かを成し遂げた記憶がない。今まで何もなかった上に殺人まで起こしてしまったのだ。
昨晩、なにを思い立ったのか真っ暗闇の中をでかけた。服は黒く、帽子を被った。人目の付かなそうな場所で、暗闇だから容赦なく背後からグサっと。殺した跡を全て無くして山に死体は捨てたはずなのだが... 。誰かに見られていたのだろう。次の日にはありえない
速度で、裁判になっていた。
流石に早すぎる。
だが、こんなに早いのにも理由がある。日本有数の大富豪を刺してしまったらしい。
富豪のような雰囲気は全く感じなかったし、家は田舎で近所にそんな人がいたのだろうか。
今更もう関係ない。
結局今は裁判所の中で裁かれてしまうのだろう。このスピード感で、裁判になると自己弁護しかできない。もし弁護士を雇えたとしても、わざわざそこまではしたくない。
俺の人生はここで終わっていいのだ。
「容疑者に機械を取り付けなさい」
軽い拘束をされ、手足に機械を取り付けられた。
俺はどうやら罪を裁かれる前に、体を捌かれてしまいそうだ。
「お前には、いまから記憶を見てもらう」
そんなことはなかった。
どうやら俺は、富豪の人生の[記憶]を見せられるようだ。俺は、技術の進歩をみくびっていたようだ。知らぬ間に人の記憶を人から人にみせれるようになっていたのか。
本当に聞いたことがない。でも、富豪だし金の力で凄い技術を手に入れたのだろう。そして俺が、世界で初めの[記憶]を見せられる人となると思う。見せたところでなにもかわらないだろうに。人生を見せて罪人に同情でも貰おうとしているのか?
そんな事を考えている間に、[記憶]は始まった
どうやら、生まれる途中からのスタートだ。一人称である。
あまり関係のないところは、凄い早さで飛ばされていく。はっきり見えたのは、本当のキリのいいところだけだ。小学校入学、小学校での先生をお母さんと呼び間違い、卒業。学生の間は似たような止まり方しかしなかった。これでもかなり時間がかかっている。
ようやく、20代後半というところか。
今までの4〜5年程考えたプロジェクトが、始まり成功していく。確かに、このプロジェクトは見た事があるかもしれない。
これが、こいつが、富豪の理由なのか。元々親はお金を持っていそうだったが[記憶]を見せられていくうちに、しっかりと努力をしている場面も見えているので、流石に申し訳なさもでてくる。
こいつが富豪だったのが悪いのだ。
40代に入りかかる頃だろうか。真っ暗闇を歩き出した。
こいつの[記憶]が終わる時がきた。
今から俺がでてきてしまうのか。悔しい。俺は殺してしまったのだ。
背後から刺された。
俺は見られた気はしなかったが、はっきり俺の姿をみていたようだった。
黒い服に、帽子をかぶり、マスクをつけていた。
はぁ、俺なんだ。
いや、違う。俺はマスクなどつけていない。
この[記憶]は間違っている。記憶が間違っているってどういうことだ。
機械を取り外された。裁判官は今にも、罪を言い渡そうとしている。俺は言った。
「この記憶は間違っている!!俺は昨日マスクなんてつけていなかったぞ!」
誰も俺の声は気にしていない様子だ。
「みんな、記憶を見てくれよ!」
まったく、何も起こらない。声が聞こえてないようだ。
絶対おかしい。何かがおかしい。そもそも、[記憶]を保存するために、なにか機械でも埋め込むのが普通ではないだろうか。だが、俺は生まれている途中から、目の視点で見ていた。まだ、外に出ていないのに。あと気になることは、別にあるだろうがありがちな事しか、[記憶]にないのだ。今の時代、先生を呼び間違って「お母さん」とか言うのだろうか。
そして何より、自分が違うと言うのが大きい。全ての違和感はそこからである。つまり、この記憶は作られていると思う。
だが、この機械は凄い。すごく自然に脳内で、人生を見れた。こんな事を手と足で出来るなんて。
これもよくよく考えると、少しおかしいのではないか。人に記憶を見せるなら、手足ではなく、頭に直接機械をつければいいだろう。
よりにもよって一番遠い所につけている。
全て少しおかしいんだ。
「容疑者、死刑」
突然発表された。
もうどうでもいい。
考えた事をはやくまとめたい。
まだおかしな所はある。自分の記憶が本当に特にないのだ。何も成し遂げてないのではなく、本当に何も無かったのかもしれない。
名付けた親もそもそも思い出がない。山田太郎なんて名前、子供につけないだろ!
自分で、説明したが昨日人を殺したというのも、どこから来た記憶かがわからない。確かに記憶はあるのに、根拠がない。
考えをまとめると、自分の記憶には、根拠がなく、あの[記憶]は偽物だろう。
なぜこんなことを。俺は騙されているのかも知れない。俺は気づいてないだけで、何か別な物を見せられているのかも知れない。裁判の時に声を上げても、顔色1つ変えず無視をされた。実験台にされているのだろうか。
そういえば、俺の記憶がしっかりあるのは、裁判の場所からだ。一歩も動いていない。
機械を手足につけるなら、意識はそちらに向く。頭は一番遠いのだ。
記憶を操るなら、頭。
今まで気にしなかったが、俺の頭に何かついていないだろうか。
どこだ!さがさなければ、俺は気づいたのだ。どこだろう。ぅーん......・・・・・・・・
ハッ!
私は少し大人びた知らない子供達に拍手され、目を開けた。
さっきまでの記憶は、かろうじてあるが、この状況の記憶は全くない。
だが、これからは晴れやかな気持ちで、日々を過ごせる気がする。
かすかな記憶から少し思い出す、
最後にまとめて話すことにした
「主人公の考えが、少し最初と矛盾している箇所があると思いました。ストーリーも裏付けが無いとよく分からないことになりますし、周りの人や主人公の名前や行動を考えて深みを作っていきましょう。プログラムがまだ出来ていない所もありましたよね。早めに作らないとリアリティが無くなっちゃいますよ。謎の部分はまぁ、良かったと思います。
私は楽しかったですよ。」
前代未問 マシュマローリング @rkt_clk
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