うちの電子レンジは凄かった。

 うちの電子レンジは、上は500Wまでしかないのに、下は300W、150W、100Wと、やけに充実しています。


 ほとんどの食品は、500Wか600Wで温めるようにとの指示しかないのに、何故、300W、150W、100Wなどという、低いワット数があるのが、ずっと疑問でした。


 それだけ下を充実させるなら、600Wを付けてくれよと。


 でも、うちの電子レンジ、凄かったんです。


 なんと、油っぽいものを温めるとき、ワット数を低く設定しておくと、油がバチバチ跳ねないんです。


 それに気付いたのは、蒟蒻こんにゃくいたを、どうやったら、高温の油による穴を開けずに、美味しく温められるか、という研究をしていた時でした。


 ……別に、研究はしていませんが。


 500Wで温めると、全体が温まる前に油が跳ねて、蒟蒻の表面に穴が開き、電子レンジの中も汚れます。


 ラップをかけてもいいのですが、ラップをかける、外して捨てる、というのが面倒だし、もったいないし、ラップに油が跳ねると、溶けて変形してしまうのです。


 使い回せるふたなんか、洗い物が増えるので嫌です。(強情)


 そこで、いかにラップを使わずに、油ものを美味しく温めるかと。


 答えは、弱火でじっくりだと。


 そんな、フワッとした理論のもと編み出されたのが、低いワット数で長い時間温める、という方法でした。


 これが、かなり上手くいきまして。


 時間はかかりますが、とはいえ、四分、五分くらいのものです。


 それで、ラップや蓋を使わなくても油が跳ねず、電子レンジも汚れずに、ムラなく温まるのですから、満足です。


 ものによって、300W・150Wを切り替えれば、時間と利便性と美味しさのバランスを、上手く取ることができます。(100Wは使ったことがありません。)

 やっぱり、うちの電子レンジは凄い。


 多少時間がかかってもいい、という方は、どうぞお試しあれ。





 あの、オチは無いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る