2人は約束を守った

第1話 いたの?

(夏…夕方6時…某公園…)


「何? こんな時間に何してるの?」


「あぁ…キミも…あんな約束…覚えてたん?」


(ちょい…照れ合う)


「あのころと違うから、あんま近寄ったらいかんよ? スカート…短くなってる…」


「ふふっ…。こんな狭いトンネルで…大人が…2人きりなんて…おかしいね」


(吐息が耳にかかる…)


「なんだよ、照れよる? そうだろうねぇ…私、綺麗になりよったし…。キミも大分男らしうなったやん…え? どんなところが? …ガタイ…とか? まぁ…見た目やね…もう…すんごい前やし…中身…も、変わっとるん? え? まだ、仮面〇イダーみとるん? ふふふ…わろうてしまう…子供やなぁ…可愛いわぁ…」


(しばらく沈黙…)


「昔は、よぅ、手ぇ繋いだのにね…」


(急に手を繋がれる)


「なにするんよ…! 約束やったやんて……ややや約束…やけど…やったけど…なんか言うてからにしてよ…ドキドキするやん…」


「……なんなん…なんも言いよらん…。ん? 何話して良いかわからん? そんなん私だって同じよ…。ズルいな…キミ」


「…なんで…今日、ここ来たん? …え? ほんまに、覚えてたん? ほんま? じゃあ、私の名前ゆえるん? ……え……ほんまに…覚えてたんや……なんや…涙出て来るわ…」


「泣かないで? そんなこと言うたかて…じゃあ、笑わせてや、何でも良いから」


(また、手をギュっとする)


「何しとるん…、それ、もっと泣くやつやん…」

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