さよならを青信号に叩きつけ…「青い時代の虐殺」より抜粋

尊野怜来

あお高く瞼にわすれぬ思い出よ音も匂いも声もこころも



こころ刺す青いハチドリ紅い花白い時間が笑うあの庭



人の子よ今日に生まれて明日へと伸ばすかいなに血管青く



はしり去るなにをか得んと人の世にぶちのめされる朝に戻れば



描きたい白い世界をつかまえて果てなきものを切り離しても



ひらひらと別れの予感降り積めて離さぬものはただ劫火なり



青い壜ブラッドベリの香りして青酸舐めたの?醒めた顔色



ジョニ青を一壜空けて明けたなら琥珀の海にビー玉溢れ



「もう駄目だ」また捕まったこの家に青春切り裂く血は美味かろう



青は春おのれの青はどう、と去り。残れる時間を壜は抱えり



涙落つ軒を見上げて青空を恨んで融けるなごり雪かな








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る