②
「は?………………えと、何か勘違いしてると思うよ。というか、一旦落ち着こ?ね?」
私は暴走しだした綾ちゃんを宥める。どーどー。
しかし以前として彼女はオールバックのイケイケ状態。いや、もう私の苦手なオラオラ状態に限りなく近い。
「………チッ。その余裕ぶった態度が余計に腹立つんだよな。て言うかさ、今さらあーちゃんを狙ってどーゆーつもり?もう散々うちの学校の後輩とかとヤりまくってさ、満足したと思ってたら一昨日ばったり会ってびっくり。お前まさか大人ともそういう関係性を持ってたんだな。それで?こんどはボクの幼馴染??まるで発情期の獣だな、お前」
かちん。
…………言ってくれるじゃん、コイツ。
ほんとは飛鳥ちゃんと仲良いから優しく接しようとか思ってたんだけど。向こうから喧嘩を売ってくるなら話は別だ。タイプでも無い女と仲良くするなんて、逆にこっちから願い下げ案件。
「あんた、言ってくれるじゃん。さっきまで猫被ってたくせに、幼馴染のこと騙しといてなーにが『あーちゃんはボクと暮らすんだ!!』だよ」
「お前があーちゃんのことを馴れ馴れしくあーちゃんって呼ぶな!!!」
「うっるさいなぁ。今のはあんたの真似をしただけだよ。躍起になりすぎ」
「そのお前のなんでも上から目線な物言いも何とかしろ!すっごい腹立つ!!」
「いやいや、あんたがこうやって噛みついてこなければ私だってこんな態度とらないよ。あ・や・ちゃん?」
「~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!むっかつく!てか、お前はボクのこと下の名前で呼ぶな!」
「??? 苗字で呼ばれたくないんじゃないの?…………あ、まさか」
「~~~~っ!」
綾ちゃん、もといこの
さっきから私に煽られて顔を真っ赤っかにして地団太を踏んでいる。
この女、まさかとは思うけれど、、、、、、
「そうだよ!たしかにボクのパパとママは本当の親じゃないけど、別にだからって苗字を嫌ってるわけじゃない!!あれは、あれは!!!
――――――
だから、ただの言い訳に過ぎないんだよ」
え、いや、ガチで照れてるじゃん。
目白とかいう女、会話の節々からそういう感じは漏れ出ていたけれど。この女、もしかして飛鳥ちゃんに本気の大恋愛をしている。
でも、そうすると、不思議だ。
聞かずにはいられない。
「ねぇ、あんたさ。今のそれが素なんだよね???」
「…………だからなに?ボク呼びがおかしい??笑いたければ笑えば???」
「は?むしろそこだけは好印象なんだが?」
「………………ぅえ?」
「あっ。いや、前言撤回。いやさ、それが素なんだとしたらさ。さっきの言動から考えても、あんた、―――処女じゃないでしょ?」
「…………」
「もっと正確に言うと、あんたも私と同類なんじゃないの?今のあんた、その、まぁ好きな子は好きそうなタイプだし」
「………まぁ、それは否定しないけど」
「飛鳥ちゃんが好きなんじゃないの?」
私の場合は、今まで本気の恋愛をしてこなかったからこその遊びの延長で、たくさんの女の子と昼夜問わずにそういうことをしてきたけれど。
目白とかいう女の場合は、私と同類であって同じじゃない。
「そ、それは!………あーちゃんは大事な幼馴染だから、ボクにとっての特別なだけ」
「それは好きとは違うの?」
「~~~~っ!す、好き、、だけど!?なんか文句ある!??」
「いや?無いよ。たださ、飛鳥ちゃんのことが好きなのにどうして女遊びなんかしてるわけ???」
彼女は、本気の恋愛をしている。
きっとそれは今に始まったことではなくって、ずっと昔から。それなのに、彼女は私と同じように女遊びをしてきたという。
果たして、その心は?
「そ、それは…………。だ、だって、かわいい女の子を自分の手で好きなように啼かせることが出来るのって、、、すっごく気持ちいいじゃん?」
………。
……………。
…………………。
いや、そんな、じゃん?って私に共感を求められても困るんだが。
とにかく今、確信したことが一つだけ。
目白、私よりクズじゃない???
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます