カラスのような眼を持つ女

久蔵久蔵

第1話

バッドでもハッピーでもない夕焼けをCOEDOビールの瓶に押し込む


気まぐれな逢魔が時が匂いだしランブレッタの機嫌が悪い


今回も人探しです 探すのはカラスのような眼を持つ女


何気なさ気取る新手の告白かパンツのゴムのあたりが痒い


黄昏のハードボイルドめく女渦巻詩歌 職業探偵


溶け出した三原色が交ざり合い生まれた夜に獣が匂う


振り撒いたちょっとの嘘と雰囲気に集まる謎で出来た迷路を


「ふかみどり」「月のある夜」「メタリック」取捨選択は直感のみで


窓辺から舌なめずりの猫の耳補助線のばし月に到達


食いついた二重の影の濃く薄くお尻が冷える月と外灯


静謐にたたずむ黒き髪に風 底のない眼が其処にない眼が


追加したアップルパイと珈琲に幼馴染みと会ったみたいに


影を踏む見つかっちゃったかくれんぼ 昔からなの迷子になるの


地図を手に眠れぬ森を抜け出した嘘つきの嘘真似してみるわ


今ここを女性を生きる息遣い左目だけが瞬きをした


書類には感情がなく好ましく所長の父の淹れるカフェラテ


語り部の父の話に魅了され母の瞳は少女に戻る


夜風まで纏わりつけた月の影引き連れてゆくランブレッタよ


追憶のフィルムノワールめく女渦巻詩歌 髪切ろうかな


彼女から連絡がきた三時半夢もみれずに酔いつぶれてた

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カラスのような眼を持つ女 久蔵久蔵 @hisakurakyuzo

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