第2話 囲う、切り取る

真っ白な画用紙。

一文字も書かれていない原稿用紙。

小さい頃は何をかこうかワクワクしたけれど。

今は恐怖にすら感じてしまいます。

なぜだろう?


無から有を生み出す。

無数とも呼べる選択肢から正解を選び出すのは難しい。

カッコいいものを。

人から褒められるものを。

そう考え出すと一文字も書けないし、ひとつの絵も描けない。


そういうときには。

小さく小さく世界を囲って切り取る。


世界じゃなくて自分の回り。

過去未来じゃなくて今日。

この小さな、囲まれた世界にもかくべきことはたくさんある。

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