第3話

その日も、私は変わらず優を虐めた。


ーーーーーーーー

甘寧視点


「お父さん、お酒は止めたんじゃないの?」


「うるせぇ、今日で1週間になる。今日程めでたい日に飲まずに居られるか」

  

 父親はお酒が好きで飲むことが前にはあったが、酒癖が余りにも酷い、そのせいで母親も私とこの酔ってる父を置いていってしまった、


 「とりあえず、水飲みなよ、ねぇね」


「だから、うるせぇって言ってるんだよ!!」


「お父さん!!」


本当にまずい、この姿が義母に見つかるとどうなるか分からない。


 「お父さん忘れたの?お酒を飲んだせいで、前のお母さんを捨てられたこと」


「・・・忘れてねぇよ、つかさぁ、その話はもうしないって約束だったろ!」


やばい、父親は逆ギレしてる。


 こうなると最悪暴力を振るってくることだってある。


 「本当さ、俺も頑張ったのによ、花?」


花??花ってお母さん??私がお母さんに見えてるの?


 「花ー!!」


  お父さんは怒ってる。


 「違う!私は甘寧だよ!!アンタの娘」


「そうだ、俺を捨てるだけじゃなくて、娘も置いて行きやがって!!このクソ女!!」

 父親は私を殴ろうとする。


 目を瞑ると、


「大丈夫、甘寧さん」


「優??」


嘘、優が代わりに受け止めてくれた。


「落ち着いてください!」


「あぁ、誰だテメェ?」


「めちゃくちゃ酔ってる」


「お父さん、酔うとやばいの。私を恨んでるお母さんだと思って」


「お前か、」

父親は叫ぶ


 「えっ??」


「お前が浮気相手かって聞いてんだ!!」

お父さんが再び叫ぶ。


「えぇー!違いますよ!!思い出してください!」


「そうだよ!!優だよ。新しい家族の!!大切にするって言ってた優だよ!!お父さん」


 だが、見るからにお父さんは聞いてない。


 「はぁ、お前はやはりその男の方が良いんだな」


そして、私の方に向かってくる。


 「止めてくたざい!!」


「てめぇは、そうやって媚び売りやがって」


優が私を守ろうと何度も叩かれている。



 そして、守るから、一方的な優への攻撃になった。


 私がよく見てた光景、優は凄く痛そうにする。傷が見える。腫れている。そうだ、それは私達がやったところ。


 「止めて、お父さん。止めて、お父さん・・・・本当に止めて!!!」


大きな声で叫ぶとやっと止め、こっちに気が向いて


 「甘寧さん」


 「そうやって、お前は庇って、つかそうだよ。お前が全部悪いんだ。お前が」


「待って、お父さん。それを離して」


父親は調理台から包丁を持ち出す。


 「お願い、お父さん。それは止めて離して!!正気に戻って」


「死ねー!!」


私に向かってやって来る。


 「甘寧さん!!」


「優!!」

優は私を守るようにお父さんの方を背にして、抱きしめる。


 「・・・う、嘘だろ。俺はなんで、こんな、こんなことを」


お父さんから聞きたくないような言葉を聞く。私に痛みはない。まさか、


 「優、」


「お母さん!!お母さん!!」


「えっ??」


「俺は何てことをしてしまったんだ」


 嘘、



 義母が血を出して倒れている。


 「お母さん、そんな、そんな」


「優、何もして・・・あげられなくて・・・ごめんね」


「そんなことないよ!!お母さん!!俺はずっとお母さんに、それに今だって守ってくれた。」


「・・・」


義母は目を閉じる。


 「お母さん、お母さん!!」


「いやぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」







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