第2話

これからの生活ルールなどを話した。



 


そして、東山さんと二人になった。


 「私はアンタが兄なんて認めない」

  

 「・・・」


「だから、私には話しかけないで」


 「わかった」

 

「学校では、いややっぱりバレるか。アンタの苗字が変わる訳だし」


 「・・・」


「・・・あぁ、本当に最悪だわ」


東山さんは部屋に入っていた。



ーーーーーーーーーー


 「どうだったの?」


「・・・最悪だった」

 東山さんは友達と話をしている。


 「えっ何で」


 「実は、あのインキャだったんだよ」


「えぇー!」


「本当に最悪」


「それは最悪だね」


そして、放課後に俺は東山さん・・・甘寧サンに呼ばれて、


 「別にアンタが義兄って扱いでも、私にとってはただクズの他人だから」


「許可貰いました!!」


俺は今日も変わらずボコられた。そして、そのままバイトに向かった。


ーーーーーーーーーー


 「ただいま」


「おかえり、優くん」


 義父が俺を迎えてくれる。


 「ただいまって、大丈夫っ??どうしたの??その体」


とてもあなたの娘さんにされたとは言えない。


 甘寧さんは奥でこっちを見ている。


 言うなって顔で



 「おかえり、優」


「ただいま、お母さん」


「また、今日もだったの?」


「うん」


「本当に、ごめんなさいね」


「良いよ、それより新しい家族と美味しいご飯を食べよう」


「うん」


 そんな日々が続いた。

ーーーーーーーーーーー

 甘寧視点


 本当に、なんであんなゴミが兄なんだろうか??私の夢を、思いを返してほしい。


 はぁ、今すぐでも離婚して、新しい相手を探すように


 「あの、甘寧ちゃん?」


「はい??どうしたんですか?」


「あの、優のことなんだけど」


「優のことですか?」


あまり話したくないな、でも義母さんは料理は美味しいし、お父さんとも仲良くしてるし、まぁ悪い人じゃないんだよね。


 「うん、優が学校でなんで虐められてるのかなっ・・・て、甘寧ちゃん知らない??」


「えっと・・・私には分からないです」


「そっか、ありがとう。」


「はい」


「あの、優のこと少し話をして良いかな」


まだするの?


 「良いです」


でも断れない。


 「優はね、家のために必死にバイトして稼いでくれたの」


「・・・」


「あの子って昔から我慢するのが得意で、お父さんが事故で亡くなった時も、最初は凄く泣いていたんだけど、私が泣く姿を見て、泣くのを我慢して、俺がお母さんを助けるって」


あいつにもそんなことが・・・意外


「それからあの子は家のことを凄く手伝うようになって、高校生になってバイトも始めて、本当に私のために頑張り過ぎてしまうのよ」


「・・・」


 少し見直したかも


 「だからね、甘寧ちゃんの重みになって欲しくはないんだけど、再婚して、甘寧ちゃんのお父さんが働いて稼いでくれるから、これからは優にもっと自分のことをして欲しいの」


「・・・」


「だから、出来るなら少しだけ優のことを支えてほしいな」


「・・・わかりました」


私はこの時、口だけのつもりだった。優のことを確かにほんの少し見直したけど、別にインキャなのは変わらないって思ってた。


 私は知らなかった。これが義母さんとの最後の会話になるとは

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