死者の書
古代エジプト人の倫理観を知る手がかりになる「死者の書」は簡単にまとめることも出来ますが、やはり翻訳でも原文に近い雰囲気を味わいたいと思われるのではないでしょうか? 私がこの本を欲しくなった理由の1つでもあります。
「私は人びとに対し不正を犯したことはありません。
人びとを虐待したことはありません。
正義の場で罪を犯したことはありません。
知るべきでないことを知ろうとしたことはありません……
神を冒瀆したことはありません。
貧しい者の財産を削ったことはありません。
神々の忌み嫌うことをしたことはありません。
主人の前で奴隷の悪口をいったことはありません。
苦しめたことはありません。
飢えさせたことはありません。
泣かせたことはありません。
殺したことはありません。
殺せと命じたこともありません。
人を苦しませたことはありません。
神殿に供えられる食物を減らしたことはありません。
神々のパンを穢したことはありません。
至福の死者のパンを奪ったことはありません。
私の町の聖なる場所で姦淫を犯したことはありません。
桝を削ったことはありません。
畑の広さを減らしたことはありません。
畑の広さをごまかしたことはありません。
天秤の分銅を余計に加えたことはありません。
天秤の秤をごまかしたことはありません。
赤ん坊の口からミルクを取り上げたことはありません。
山羊や羊の牧草を奪ったことはありません。
神々の草原の鳥を罠で捕えたことはありません。
潟に住む魚を捕ったことはありません。
増水を堰きとめたことはありません。
流れる水を堤でとめたことはありません。……
肉を供える日を忘れたことはありません。
神の食事のための家畜を横取りしたことはありません。
神の行列が出発するのを妨げたことはありません……」
死者は、ミイラにされた後、死後の裁きに備えて、パピルスにこの書をしたため葬られるようになったそうです。
生活習慣的にわからないものもありますが、理解できないほどではないですね。
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