第2話
【お兄ちゃん!!いくらなんでもやり過ぎだよ!!】
【最近、貴方ことがわかったと思ったのに残念です】
【お姉ちゃん!!これが本性だよ】
【アンタが厄病神だったのね、お父さん達もみんなも】
ーーーーーーーーー
家には帰りたくなかった。
だけど、俺が手紙を読んでからしばらく帰らないでいると本当に引越し業者がやって来て、うちの荷物を運んでしまった。
扉が開いてる。
「・・・」
俺は無言で入る。
「・・・お兄ちゃん」
実妹の、春だ。
「・・・春」
春も俺も言葉を失う。最後に妹に
【お兄ちゃんなんてもう帰ってこないで!!この裏切り者!!】
と言われた後だ、気まずいし、俺は話そうとも思わない。
「あ、兄貴」
今度は義妹だ。
「久しぶりだな」
「そうだね。」
この義妹も同じ
【ずっと、私もお姉ちゃんもそんな目で狙ってたんでしょ!!最低!!帰ってくるなぁ!!私達の前に姿を現すなぁ!!】
とこれが最後の会話。
そして、義姉
「弟、元気してた??」
「まぁ、ここ、最近は」
【いくら義弟が凄いからって嫉妬して醜いよ!!引っ越してもずっとそうやって醜く生きるんでしょうね!!この家族の恥晒し!!】
「あと1人は」
「お兄ちゃん、そんな呼び方・・今は買い物に行ってるよ」
「わかった。」
そして、無言の時間が続く。
俺は自分のバイトで買った小説を読む。
ーーーーーーーー
「久しぶりね」
「まだ一年経ってないけどね。」
「元気にしてた?しっかりご飯は食べてる?」
「・・・じゃなきゃ今頃ここに居ないよ」
「そうよね。」
「それより、あの家を勝手に売却するなんて、どういうこと??」
「優が家に帰って来て欲しくて」
「自分が追い出したんだろう」
「お兄ちゃんそれは」
「それは・・・なに?」
「・・・何でもない。」
「しっかりと規定の料金を払ってたよね。」
「・・・そうね」
「規定通りの、少し多めの値段で」
「そうね。」
「・・・はぁ・・・」
「どこ行くの??」
母親が俺を呼び止めようとする。
「二十歳になるまでここに住むことを覚悟するしかない、あと別に自分の部屋だよ。」
「待ってそこは」
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