想綴り

第5夜

ウチが大事にしたい人は、

不器用で誠実で、責任感が強くて。

ウチが「好きだよ」って言うと、「うん」て返事してくれる。

ウチが「好きだよ」って伝えるのは、言葉にしないと伝わらないって思うから。

ヒトは、自分の受け取りたいように受け取る。

なら、ウチがどう思っているかはちゃんと伝えたい。

それを受け取るのは彼自身で。

そこはウチの預かり知らぬ処。

でもね、誤差とか誤解とかは少ない方が良い。

ちゃんと、伝えたいように伝えたいデス。

ウチは、どうしても話すのが苦手で。

親にあまり話を聞いて貰えなかったからか、心のどこかに「ウチの話は誰も聞いてくれない」

っていうのがあって。

言おうとすると、躊躇してしまうのね。

けど、沈黙も苦手で。

何か話さなきゃって思っちゃうんだけど。

…彼とは、沈黙も苦痛じゃなくて。

寝落ち通話で、寝息とか些細な音が聞こえるだけでホッとするって言う。

ホントに、不思議。

顔を知らずに、気になる存在になって。

1度会ったら、余計に気になって。

「好きだよ」って言わずに居れなくなっちゃって。

会う度に色んな面が見れて、その全部に「うわー！好きー！」ってなってる。

…ヤバいヤツだな。

どこが好き？って聞かれたら、ありすぎて「ウチの知ってる全部」って言っちゃう。

どんだけ好きなんだろう。