焔より永劫に帰す

咲海李桜

第1話

パチパチと、何かが燃える音がする。

(あ、またこの夢だ)

気が付けば辺りは火の海。

(何度目だろう)

物心ついた時には、視ていた夢。

やけにリアルなので、最初の頃は怖くて泣いて起きたっけ。

15年も経てば慣れたもので。

轟々と燃える部屋を静観する。

(あ、もうそろそろだ)

ガラガラと襖が崩れ、人影が現れる。

宵闇と煙のせいか、顔は見えず。

ただ毎回

「○○、おいで」

と手を差し伸べてくる。

解るのは、手の大きな男の人だって事。

ただ、握った直後。

炎に包まれる…とこで起きちゃうんだよね。

(結局、アレは誰なんだろ)

前世だとかそんなモノに興味を持つ年頃なので、友人にはネタにされてる。

…いるなら会ってみたいけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る