第3話 帰り道
陽も傾きかけたころ、エーデルは図書館のからの帰路についていた。
後ろからドタドタと走ってくる足音が聞こえる。
「お姉ちゃーん!」
彼女は後ろを振り向くとそこには護が手を振っていた。
「まもる君。今、学校終わったの?」
「そうだよ。放課後みんなでサッカーしてたんだ」
護はそういうとエーデルと一緒に歩き始める。
「学校は楽しかった?」
「楽しかったよ。まあ田舎だから、人数は少ないけどみんな友達だよ」
「そうそれなら良かったね」
「お姉ちゃんはどこに行ってたの?」
「私は図書館で資料を探していたの」
「なんの資料?」
「えっとね、私は民俗学を学んでいるんだけど。なんて言ったらいいかな……。私はここの土地のことについて調べているの」
「よくわかんないけど、そうなんだ」
護は笑った。
「お姉ちゃんは家に帰る途中?」
「そうだよ」
「じゃあ、途中まで一緒に帰ろうよ」
「うん」
二人は横に並んで一緒に帰ることにした。
「僕もう少ししたら夏休みなんだー」
「そうなんだ。夏休みはどこかに行くの?」
「うーん。まだ決めてないかな。そうだ、夏休みになったら一緒に遊ぼうよ」
「うん、いいね」
「ここのことだったら僕に任せていろいろ案内するよ」
「いいの? ありがとう」
「夏休みはいろんなところに行こうよ。夏祭りもあるから一緒に遊ぼうよ」
「いいよ」
「じゃあいろいろ計画立てておくね!」
「うん、ありがとう」
そして、そろそろ護の家へと着いてしまった。
護は名残惜しそうにしている。
「まもる君の家に着いたね。じゃあここでお別れだね」
「うん……」
「じゃあ、また遊ぼうね」
「うん。お姉ちゃんの連絡先教えて」
そういうと護はスマートフォンを取り出した。
「うん、いいよ」
エーデルも自分の持っているスマートフォン取り出す。
そして、二人は通話アプリの連絡先を交換した。
「これでいつでも話せるね」
護はニコッと笑った。
「うん!」
エーデルも笑った。
「お姉ちゃんじゃあ、またあとで連絡するね。じゃあ、またあとでー」
「うん。じゃあまたあとでね」
護は帰路に就くエーデルに向かって手を振った。
エーデルも振り返りながら手を振って歩いた。
帰り道エーデルは連絡先を交換したスマートフォンを胸の辺りで握りしめ、嬉しそうに笑っていた。
今日は良いことあったなと思いながら帰り道を歩くのだった。
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