第25話 恋って楽しいな
「あ!ごめんごめん
気を遣ってくれたみたい…。
「ごめん。あんま気にしないで」
「あ…うん」
「そうだ!学校来る意味ないってどういうことなの?」
「親父が学校行けってうるさくて」
「じゃあ、本当は来るつもりなかったんだ?」
「うん。家業継ぐつもりだったし」
「親御さんの仕事継ぐなんて、親御さん嬉しいだろうね!」
「…うん」
「なんの仕事してるの?」
「あー…まあ、大したアレじゃない。つかさ、中華食いたくね?」
「え?あ、うん?そ、そうだね?」
誤魔化された…?
なんだか訳ありっぽいし、あんまり踏み込んだこと聞けないけど、お父さんが学校に行かせてくれたおかげで私は依岡くんに会えてるんだ。お父様ありがとうございます…。
私って依岡くんのこと、あんまり知らないな。
もっと知りたい、けど…デリカシーのないやつだって思われたくない。
一緒にご飯まで食べて、一日中一緒にいれた。
幸せでいっぱいです。
「今日はありがとうございました」
「なんでたまに敬語になんの?」
「な、なんとなくです」
「面白いからいいけど」
依岡くんは、楽しかったのかな。
「今日だけでちょっとは
「ど、どうだった…んでしょう」
「ま、焦ることないさ」
「ね、ねぇ…依岡くんは今日…た、の、しかった…?」
「ん?」
依岡くんはこっちをまっすぐ見て、口元を緩ませた。
「楽しかった」
そこからのことはあんまり覚えてないけど、とても幸せな気持ちのまま帰宅した私。
依岡くんを楽しませることが、出来たらしい。
「依岡くん…どうしよう…」
考えれば考えるほど、好きです。
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