アーズ
@takegin
プロローグ part1
首都アニマラスの中心にそびえる牙の塔。塔の会議場には10人の族長たちが集結していた。
「それでは十族会議を始める。今回の議題は近々起こるであろう人間との戦争についてだ」
重々しい空気に包まれたこの空間で今まさに歴史の新たな1ページが刻まれようとしていた。
「フィウル様、本当に戦争は起こるのですか?」
鎧を身に纏った羊の騎士が尋ねる。
「ああ、間違いない。つい先日、国連会議で我らアニマとの戦争を開始することを正式に決定したという通信を傍受した」
「さすがは狼族ですわね。わたくしたちの空偵部隊も先日近海を巡回している軍艦3隻を確認しましたわ」
「ドーラ殿、それはまことか?!」
「えぇ映像を確認したけど間違いなく軍艦だったわ。今その映像をスクリーンに出すわ」
中央スクリーンに映し出された映像には国連軍のマークをつけた軍艦がたしかに映っていた。
「国連軍ということは人類すべての国が攻めてくるってことか」
議長である兎族族長ラタ・ラビルが口を開く。
「こうなった以上戦争は避けられん。しかし、我々と人間とでは兵力に圧倒的な差が…」
「おい議長、その点はあんし、」
「プツン!」
突然、部屋の明かりがすべて消え、警報が鳴り響いた。
「これはなんの警報だ議長」
獅子族族長レオパルト・ガオランが叫ぶ。
「こ、この警報は侵入者だ!」
「侵入者だと!?なぜここに?」
「侵入者は全部で50人。ご丁寧に10部隊に分かれてやがる」
フィウルの言葉で全員があることを察した。
「つまり、こっちの人数がバレてるってことだ」
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