第9話 かんたくんとゴロちゃん

かんたくんとゴロちゃん

かんたくんは中型のミックスのワンちゃんです。

猫のゴロちゃんと一緒に暮らしています。

ゴロちゃんのことはあんまり気にしていないようです。

ゴロちゃんが床に横になっているとかんたくんは老犬のせいかゴロちゃんがいるのに気が付かないみたいで踏んづけていくことがあります。

ゴロちゃんは慣れているのでかんたくんに踏んづけられても慌てる様子もなく体の上を通っていくかんたくんのお腹に下から絡みついて遊ぼうよ!ってします。

それでもかんたくんは知らん顔して通り過ぎていきます。

とてもおおらかな2匹の様子ににっこりしてしまいます。

ゴロちゃんは何かの病気でオシッコが出ないためお医者さんでお腹に穴を開けてもらってそこからオシッコが出てきます。

自然に出てきてしまうので小さいオムツのような物と脱脂綿を重ねたパッドをお家の方の手作りのマジックテープと紐のついたカバーに置いてお腹に空いた穴に当てて胴体に巻きつけ固定してあります。

そして朝と夕方パッドを交換します。

その際アルコールで穴のまわりの皮膚を消毒し皮膚が赤くなっていたらお薬を塗ります。

ゴロちゃんはとてもおおらかな猫ちゃんで消毒してお薬を塗ってパッドの交換を終えるまで抱っこされたまま静かにしていてくれます。

本当にいい子で感心してしまいます。

かんたくんはママの手作りご飯を食べます。

お留守にする期間が結構長かったので一回分ずつタッパーに冷凍しておいてくれました。

中身は茹でた野菜やキノコ、お肉、米飯などで雑炊みたいな感じです。

とても美味しそうです。

冷凍してあるご飯をレンジで温めてドライフードもそこに混ぜて器に入れます。

キッチンには柵があり、猫ちゃんは入って来ることができますがワンちゃんは入れません。

かんたくんは柵のとこに前足をかけて立ち上がり待ち遠しいそうにご飯が出てくるのを待っています。

レンジで温めたご飯が冷めるとやっとかんたくんはご飯を食べることができます。

鼻ずらをご飯の器に突っ込んですごい勢いで食べます。

無心に食べる姿はなんとも言えなく可愛いです

この瞬間を写真に収めなくちゃ!と食べ終わらないうちに写真を撮ります。

時々鼻の頭にご飯粒がくっ付いていると最高のシャッターチャンスです。

舐めてしまわないうちに急いで撮ります。

ピカピカになったご飯の器をかんたくんはいつまでも舐めています。

かんたくんのお散歩は長い距離は歩きません。

あるとこまでいくと回れ右してさっさと帰ってきます。

雨の日はお散歩しなくてもいいのですが、小降りでお散歩するかしないかの判断が微妙な時、私の車の中に置いてあるワンちゃん用のレインコートを着せてお散歩に行くことにしました。

普段かんたくんはレインコートを着ません。

つけさせてくれるかちょっと心配でしたが大人しく着てくれました。

かんたくんがレインコートを着てお散歩している様子をLINEでお家の方に送るとカエルの模様のレインコートが似合っていたのでお家の方はとても喜んでくれました。

何よりかんたくんがおとなしくレインコートを着たことに驚いていました。

ご主人は何度かかんたくんに噛まれたとのことでした。

お打合せの時LINEで報告させてもらうことをお話しするとお家の方は、簡単でいいですよ、とおっしゃいましたが、いざお世話が始まると毎日LINEで送られてくるかんたくんとゴロちゃんの様子をみるのが何よりの楽しみでした!と終わった時言ってくださいました。

そのかんたくんもゴロちゃんも天国へ行ってしまいました。

2匹とも保護犬、保護猫でしたが、大切に育ててもらってきっと天国でママとパパにありがとうって言っていると思います。

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