第6話ランちゃんのこと
ランちゃんのこと
ランちゃんは小型犬でとてもエネルギッシュでお散歩大好きです。
お打合せの時お散歩の練習をしてみましたがリードを付けるのは問題ないことが分かりました。
練習が終わって玄関でお家の方とお別れしました。
その後お家の方から、リードを外す時に苦労するようでしたら革手袋を置いておきます。とご連絡をいただきました。
初めてのお世話の日、ランちゃんは大人しくリードをつけさせてくれて元気いっぱいでお散歩をしました。
お家に帰ってきてリードを外そうとすると急に唸り出しました。
えっ!なんで?私は戸惑いました。
40分充分にお散歩しています。
外そうと首に手を近づけると歯を剥き出して噛もうとします。革手袋を付けて汗びっしょりになって何度も噛まれそうになってやっとリードを外すことができました。
リードを外してしまうと普通にお水を飲んでおやつも食べました。
おもちゃを投げると楽しそうに咥えてきて遊びます。
ひとまず安心してこの日はお世話を終わりました
次の日またお世話に行きお散歩する時には簡単ににリードを付けるさせてくれてその日も楽しくお散歩しました。
そして外す時になったら、また歯を剥いて私の手に襲いかかってきます。
昨日よりエスカレートしています。
革手袋の上から歯が強く当たりました。
取ってみると紫色になってズキズキします。
それでもリードを釣りあげて20分ほど奮闘してやっと外しました。
お散歩するのが怖くなりましたがお世話はもう1日残っています。
3日目はお散歩の後リードを外す時の唸りも噛みつきもさらに酷くなりました。
お散歩を重ねるほどリードを外すことが難しくなってきました。
30分ほど奮闘しましたが、この日はついに外すことができませんでした。
仕方なくお部屋でリードをつけたままでしばらく思案しました。
どうしたものか...
そうだ!
ワンちゃんは病院とかで診察台のような高いところに上がると大人しくなる!
仕方ない、と決心してランちゃんをリードで引っ張りあげてテーブルに乗せました。
ランちゃんはちょっと怯えている様子です。
勇気を振り絞って再びリードを外すことにチャレンジしました。
う〜!と唸っていますが、先程までの威力はありません。
素早く首の近くに手を持っていきのナスカンを外しました。
成功しました!
心臓がドキドキ打って手が震えていました。
ランちゃんが降りることができるように椅子を持ってきてテーブルの横に置くと、ぴょんぴょんと下に降りてくれました。
そしてご機嫌でおやつを食べました。
唸ってリードをつけることが出来ない子はいますが外すのを嫌がる子には初めて会いました。
ワンちゃんがおしゃべりできるのであればなぜリード外すのがそんなに嫌なのか聞いてみたいなぁーと思いました。
心臓ドキドキの3日間のお世話はなんとか無事終えることができました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます