第20話 新パーティーでグバルー魔霊街を街歩き
僕、ダナン・アンテルドは仲間三人と馬車に乗り、ランゼルフ地区を南西に移動していた。
新しく結成したパーティーメンバーを引き連れて、グバルー
パメラ探偵と、僕の恩人、マリーさんに会いにいくためだ。二人は姉妹らしい。
パメラさんたちには、僕の馬車の事故について、
「いや~、昼間からグバルー
マルスタ・ギルドの元
「そ、そうだな。う、う、う、腕が鳴るな。ハハハ」
パトリシア・ワードナスも真っ青な顔で言った。
どうやらパトリシアは、お化けの
「パトリシア、無理して来なくて良かったのに。体が震えてるわよ」
アイリーンが心配しながら言うと、パトリシアはキッとアイリーンを見た。
「な、なんのっ!」
パトリシアは声を上げた。
「わ、わ、わ、私はお化けが怖いわけではない。わけのわからない、透明な化け物が苦手なだけだ!」
「それ、お化けだろーが」
ランダースが突っ込んだ。
というわけで、新しい魔物
全員魔法剣士というのが新鮮だ……。アイリーンは回復魔法を使えるし、まあ大丈夫か。
◇ ◇ ◇
僕らを乗せた馬車はルイベール工業地区の南西を通り、だんだんと薄暗い地域へと入っていった。
ここはもうすでに、グバルー
周囲の民家は、ツタや伸びきった木の枝で
ほ、本当にこんな場所に、パメラさんとマリーさん姉妹が住んでいるのか?
僕たちは馬車を降りた。
「しょ、商店街に、き、来たぞ」
パトリシアも震えながら言った。
商店街の店のほとんどは
商店街には墓地が
ガサッ
「きゃあああ~ひえええ~!」
パトリシアは半泣きで剣を取り出した。
ネズミが、壊れた金物屋から出てきただけだ。金物屋に店主はいない。ただ商品が、床やそこらに散らばっている。
「お前なぁ、いちいちビビって震えてんじゃねえぞ~」
ランダースがパトリシアに注意すると、彼女はぷうと
「な、何を! いい今のは剣士に対して
パトリシア……すごい早口だ……。
すると……!
「お前たち!」
急に後ろから低い声がした。
(
僕はそう思い、後ろを振り返ると、そこには目つきの悪い中年の男が立っていた。
う、うおおっ……。手にはナタを持っている。
周囲にはいつの間にか、住人たちがいた。か、囲まれている? 人数は6名……。全員、農具を武器に見立てて持っている。
「敵か?」
パトリシアは構えたが、僕は、「やめろ」と剣をおさめるように言った。
武器――農具を持った姿勢、雰囲気などを見たところ、とても戦闘に慣れている者たちとは思えない。
普通の民間人だ。
「あなたたちは?」
アイリーンが聞くと、ナタを持った男が口を開いた。
「俺らは、このグバルー街の住人だ。俺は……副町長のギルバス・ルバール」
「どうしてその住人たちが、俺らを襲おうとしてるんだ?」
ランダースが今にも剣を抜こうとしながら言ったが、ルバール氏は声を荒げた。
「よそ者は、この街に入ってきてほしくねぇ! 邪魔だ、出ていけ。それに、ここいらは魔物が出る。大怪我しても助けねえぞ」
「我々は、その魔物を
パトリシアが声を上げた。
「あんたたちはここに住んでいるんだろう? いつも危険な状態にさらされているんじゃないのか?」
「余計なお世話だ」
ルバール氏が声を荒げた。
「魔物を
僕たちは顔を見合わせた。
なぜだか分からないが、僕らは、この
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