今の私
たなちゃん
消費期限はまだまだ
先生が親が見ている100m遅ればかりを気にし走った
「普通」というオバケをいつも飼っていて「私」のレーンをはみ出せなかった
おかっぱの可愛いイイコが胸にいてたまによしよしポンコツでよし
裡(ウチ)に木が一本あってざわざわと揺れる自ら止めようもなく
向こうから誰か呼んでる窓に影ただの枝だよ出てはいけない
塵積もるような音立て雨が降る彫刻のように片肘をつく
高価なテスターは空(カラ)清らかなドラッグストアを歩く昼下がり
自転車にカバーをつけるあの人に猫背にパン買うその人に似る
散々にシミシワのある顔手足に慣れた手付きで日焼け止め塗る
中年は左右にぶれて歩くもの俯瞰したとてあなたもそうよ
教えたがる友いて今日は洗濯物いかにシワなく干すかを語る
扇風機をあちらに向けて爪を切る背を丸めれば石鹸の匂い
頭(ズ)のゴミを出す曜日知らず溜め込んだものは太って鴉も食べず
大切な何かを見過ごし来たようなあの本かテレビか彼の言葉か
作りながら壊せと誰かの声がするそんな力を持たない私に
でもいつも私の側にいてくれた優しい人が懐かしい人
30年属した趣味のグループを抜けていよいよああ気持ちいい
田舎道で自転車をこぐ今日を今を描いてみせよ私の世界
勝つ事が正しさだった戻りたいと決して思わず庭で草取る
何食べるどこ行く小さな選択が私をここに連れて来たのだ
今の私 たなちゃん @Tanka556
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