死にたがり

紫雪ラミ

死にたがり

ーー満月の夜、薄暗い森の中、崖の上に彼は立っていた、崖の上から見て々れば夜の薄暗さも相まって底など全く見えず、普通の人が見ればその光景に恐れを抱くのだろう、だが彼はなんの躊躇もなく崖から飛び落ちようと歩く。

まるでその足取りはもう慣れたと言わんばかりの動きである。

そのまま彼は底の見えない崖から飛び降り

物理法則に従い自らの重さのままに落下していく。


ーーグチャァァァ


そんな耳を塞ぎたくなるような音が満月の月辺りに照らされる森の中にその瞬間響き渡った。

その彼だった物が中心に地面や枯葉、木々の数々が鮮血によって赤く染められた。


そして……。

そして……。

そして……。











「時」は巻き戻る。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る