朝焼け
手が伸びた。いきり立った瞳孔が世界を見下した。疑わない、信じない、認めない。薄墨色に染まった夢から醒めてしまったらもう戻れない。ガラスの靴を叩き割った私が神さまに祝福されたことを誰もが気付かない。煤けてしまった幸福が名残惜しげに煌めく。瞼の裏に海はない。私の孤独は赤く透けている。
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