第1章 転生した元男はVtuberに
第1話 やれば出来る子
「うちの子はやればできる子なんです。」
そう何度も聞いた。先生に対して母さんが毎回言っているセリフだ。もう聞き飽きた。
俺に才能なんてない。
俺の名前は荒木颯太だ。好きなものはVtuberと百合だ。なんと言おうとこの二つは(以下略。
ろくに学校に行かずに推しの配信を見てゴロゴロする日々。そもそも母さんは知らないだろうけど、俺はそこそこインターネットでは名の知れた切り抜き師であると同時に小説家でもある。だがもちろん才能があるとは思っていない。なぜなら小説の世界は後出し有利で切り抜きの世界は先出し有利だからだ。例えば、異世界系とかが当てはまる。魔法は火、水、風、木、雷、光、闇なんかが主流になっているし、チートスキルなんかを作る人は他の人が考えたやつに対抗しようともっと考える。そうやって後出しが有利になる。逆に切り抜きは先出し有利だ。切り抜かれるところはほぼ同じだから。後は手描きやらなんやらで人気が出る。.....何が言いたいのかというと、俺に才能なんてのはないってことだ。たまたま他の人がやっていなかったやり方で編集をして、たまたま人がしていなかったジャンルがウケただけ。本当に才能があるやつは俺とは違う。誰しもがやっているジャンルでも人気が出るのだから。
だから俺は「やれば出来る」なんて言葉は嫌いだ。だってできないんだから。まぁ、そんな俺にだって例外はある。それは【推し】だ。推しのためならなんだってする。それが俺の信念。
今日も今日とて俺は推しの配信を見る。
「ABCDEFG!!! アルファベットの妖精!ホワイトモーネでーす!」
→White Hello!!
→White Hello‼︎
あああ....推しをみると癒されるぅぅぅぅ.....
ホワイトモーネ、通称モーネ。日本ではひらがな表示のもーねと呼ばれることが多い。そんな彼女は大手事務所の海外勢のタレントだ。俺の1番の推しである。
ー2時間後ー
「おつもねでした〜」
と、彼女の配信が終わった。いやぁ、幸せだなぁ。さっき言ったように俺は推しのためならなんでもする。だから、推しの言っていることを理解するために英語を覚えた。
俺はすぐさまもーねの配信をダウンロードして、切り抜き作りを始める。
ー気がつけば4時間が経過していた。
「寝るか....」
不健康になって配信が見られなくなるのは極刑に等しいからな。
「んん.....朝か...」
カーテンから差し込む朝日で目が覚める。けどなんか声に違和感が....って
「どこだこの部屋⁉︎」
まるで女の子の部屋のような場所に俺はいた。
「待て待て待て待て。状況を整理しよう」
俺はあの日配信を見てて、切り抜きを半分作り終えて、その後寝たが....そこからの記憶がない。まぁ、寝てるから当たり前なんだけど。
「あれ?なんか目線がやたら低い?」
鏡を見てみると、そこには1人の少女がいた。……ん?そこには?
「……ってこれおれぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」
どうやら俺はわたしになってしまったらしい。
「でもおかしなことがあるんだよなぁ……」
それは、確かにこの部屋の家具とか物が違えど部屋の間取りは俺の部屋と同じなのだ。それに推しのグッズが至る所に置いてある。........レア物ばっか....うへへ...... じゃねぇ!まじで理解不能なんだがこの状況。
その時ドアが開いた。
そこにいたのは..........
俺の母親だった。何にも変わらない。
「ほら、あえか!ぼけっとしてないで!起きてるなら早く朝ごはん食べなさい!」
そういって、母さんは降りて行った。
俺の名前ってあえかって言うのか……。
ていうか、無反応!?仮にも息子がロリになってんだぞ!?なんかないのか!?
永遠とはてなが出てきそうだったので、考えるのを一時的にやめて、下に降りた。
ー学校の登校中、俺は考えていた。俺はあの夜何があったのか....しかし、だいだい予想はついていた。
「転生......か?」
まぁぶっ飛んでるってのはわかる。だが、それ以外にこの状況を説明できない。だがそれにしては不可解なことがある。部屋にあるグッズが異様に俺好みだってこと。そして、前と同じ家で同じ母親。偶然だとは思えなかった。......まさか転生とタイムスリ.....ドン
前を見ていなかったからか、誰かとぶつかってしまった。
「す、すいません.....」
と言いながら、頭を下げた。すると、
『全然気にしないで。こっちもごめんね?』
と、女の人の声が聞こえた。けどこの声って...
顔をあげるとそこには外国人らしき女の人がいた。
『えっと、ごめんなさい。何をいってるのかわからないと思う..でもごめんなさいって伝わってるかな?...』
それは英語だった。彼女からしたら俺は普通に10才ぐらいに見えるのだろう。まぁ、実際に10才なんだが。だが俺には前世?で学んだ英語力がある。だから彼女が何をいっているのかわかる。
『あ、あ、あ。わかります?』
と、話してみる。すると、
『すごい!10才ぐらいなのに英語が話せるの⁉︎』
と、すごいびっくりしている。
『はい。少しはできるんです。それで何か困っている感じがするんですけど、何かありました?』
『うん。ちょうど困っていたところにあなたとぶつかっちゃった。ほんとごめんなさい。』
『いえ、お..私も悪かったんです。前見てなくて……。それで困り事って?』
『それは.....』
ー彼女の話によると、友達と逸れてしまって、困っているそうだ。道に迷っていたところに俺との衝突という流れらしい。まぁ、人助けもしといて損はないよね。
『交番まで案内しましょうか?』
『いいの⁉︎それじゃ、お願いするね!』
俺は見知らぬ外国人を交番まで案内することになった。
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