第12話 ボッチでオーク討伐

翌朝、ダンジョンに真っ直ぐに来た。今日は3階層のオークを狙う。なんと言ってもオークダンジョンの目玉はオークでしょう。


このダンジョンの3階層から上は全てオークしか出てこない。けど20階層はオークジェネラル、オークロードが率いるオークの群れだ。この20階層を突破出来れば名実共に強者の仲間入りだ。かつて、ここの20階層を制覇した冒険者達は皆王都に召還され、爵位をもらうまでになった者ばかりだ。


でも俺は爵位はどうでもいい。最強の冒険者になるには通過点だ。


3階層に来ると思ったより冒険者が多い。モンスター部屋も順番待ちだ。

地図を見て最初の部屋に並ぶ。みんなパーティーできている。どうにもボッチは俺だけのようだ。地図にはモンスター部屋が6っこあり部屋数ごとにモンスターの数が決まっているらしい。


番号1がオーク1体、番号6はオーク6体と言う意味だ。


先ずはオーク1体から始める。ずいぶんとならんで俺の番になる。先ずはオーク1体だ。


身体強化は使わずにどれ位倒せるかを試す。オークがリポップした。動くまで待つ。


「ブブヒー」オークが遠吠えをあげる。俺の存在に気付くと、かなり驚いていた。バトルアックスを構え気にせずに向かう。

流石にゴブリンよりも背が高く160cm以上は有りそうだ。バトルアックスを両手で持ち。オークの首を狙い横にふる。


オークが反応出来ずに首をきられ倒れた。オークであっても油断していれば問題無い事がわかった。倒したオークの血抜きをして亜空間の腕輪の中に収納する。次はオーク部屋2だ。


オークが2体出る部屋。順番待ちに並ぶ。前にいる冒険者の男達の目線の先に男女のペアがいた。女はエルフだろうか? スタイルが良く、美しい姿にみんなが見とれていた。


元々エルフは魔法の才能が高く。強い存在でもある。何よりプライドが高く同じエルフ以外とパーティーを組む事自体珍しい事だと聞いたことがある。まあでも、シルフィーユさんみたいな存在もいるし、あてにはまらないだろう。


やっと俺の番が来た。先に入った連中がしくじった可能性がある。やたらと部屋が空くのが早い。


部屋の前で身体強化をかける。ブン。よし、絶好調だ。


部屋に入ると案の定すでにオークが2体いる。冒険者を倒した為か余裕の表情で俺を見る。


「モゴ」「グコ」とわからない会話をしていた。「ふん、てめぇら、わかる言葉でしゃべりやがれ」


バトルアックスを両手持ちに持ち、手前のオークの油断仕切った頭にバトルアックスが刺さる。


1体を倒し次のオークを探すとバッチリと目があった。お互いに目を合わせ視線を崩さないように体勢を整える。


「ブヒブヒ」まるでやられた仲間の敵討ちをするかのごとく突っ込んで来るが、仲間の体に足が絡まり四つん這いに倒れる。


バトルアックスを上構え一気にオークの後頭部にバトルアックスを振り下ろす。


ザシュッ。きれいに後頭部に刺さり2体のオークを倒した。


「おっしー。オーク倒せたぞ」ボディービルダー張りのガッツポーズを存分に味わう。


だって誰もいないし。恥ずかしく無いし。10通りのポージングを決めてオークを回収。部屋を出る。1階の隠し部屋によって帰ることにした。


2つ有る宝箱は今回も当りが悪かった。鉄の剣と木のこん棒だった。


最初にかなり引きのよい物をゲットした為か、安物が手に入っても嬉しく無い。贅沢な思考回路に為ってしまった。


ギルドに行き、オーク3体を卸し、何でも屋に鉄の剣と木のこん棒を卸した。その足で武器やに向かい

バトルアックスの手入れを頼む。2時間程でピカピカに為って戻って来た。


鷹の宿に来て、部屋に入る。シルフィーユさんの一件から、魔法教室には行っていない。行ってはいないが魔法の練習は続けている。


あぐらをかいて座り、魔力を感じる所から初め、魔力を動かす。最初の頃と比べだいぶ上手くなった気がするが、速度が明らかに遅い。


思い浮かべた場所に魔力を集めるが10秒近くかかる。

また、魔力の圧を高める為に右手だけに集める、へその下に集める等、色々な体の部位で行うが圧力にばらつきがある。

魔力のコントロールはまだまだお子様レベルのようだ。今日はゆっくりコントロールを中心に行った。明日はダンジョンを休む日と決めて要るため、魔力の圧力を高めるトレーニングは明日行う事にする。


2週間程、ダンジョンに入りオーク3体を倒し帰ってくるを繰り返している。帰るといつも魔法のトレーニング。トレーニングが終ると身体強化を連続でかけ続け魔力を枯渇するのを待つ。今日は8回連続で身体強化をかけた段階で完全に枯渇した。この状態で寝る事で体の調子がいい。


その事がわかってから毎日、枯渇してから寝るようにしている。


ちなみにリアルとモルジップさんは相変わらず俺の顔を見るとどこかに行ってしまう。カトレーゼさんは、俺の称号を笑いのネタにしてやがる。


ふん、凡人で何が悪い。俺は凡人のまま最強の冒険者になってやるぜ!!

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